15-04-01から1ヶ月間の記事一覧

倉田喜弘「日本レコード文化史」(1992, 東京書籍)

これは唯一固い本かな。明治の初期に、米国から日本にレコード(当時は蝋管製)が 入ってきて、人々が驚いたところから始まり、第2次大戦中の言論弾圧、戦後のLP誕生を経て、CDの誕生までを当時の資料を元に詳しく描いています。この本が出版されて、約10年…

中島らも・いしいしんじ「その辺の問題」(1998, メディアファクトリー)

暇つぶしの為にあるような対談集。読んでいると、脳のねじがどんどんゆるくなっていくから注意!作者ふたりがオランダに行ってマリワナを吸いまくったり、お薬関係の与太話が多いです。獣姦だとか、肛門だとか、手塚マンガは変態だとかエロ関係の与太話も多…

養老孟司対談集「脳が語る科学」(1998, 青土社)

ぼくは、養老先生の密かなファンなのだけど、この本もやはりおもしろい。「インターネット唯脳論」「人間動物園とセックスレス」「人はなぜ笑うのか」なんて、タイトルだけでもおもしろそうでしょう。興味を持ったら読んでみてください。対談全部読まなくて…

北野勇作「どうぶつ図鑑 その2 とんぼ」(2003, 早川書房)

読むとキョムテキな気分になるので、読まないほうがいいです(笑)。「ここからどこかへ旅立ってしまいたい」っていう気持ちは誰しもあるものだろうし、'70年代のアメリカのロックなんかにも強く感じるものだけど、SF小説にもそういうヒッピイズムの影響があ…

Heidoku-dokuryO

最近読了した本の感想を短めに書きます(全て併読してました)。

ビデオ『ウェストコースト・ロックの奇蹟 Vol.3』(ビデオアーツ)鑑賞。

なぜ第3巻を観るかというと、1巻も2巻もなかったから借りられなかったのだ。 1. The Byrds 「So You Want To Be A Rock&Roll Star」(1'56") オープニングから曲が流れ始めて、それは明かにライブ録音の音なのだが、 途中から挿入されるスタジオ演奏がもうい…

クアルテート・エン・シー / Gonzaguinha, Caetano, Ivan, Milton (Polygram, 1980)

カルテート・エン・シーは'60年代から活躍するブラジルのボーカルグループ らしいのだが、詳しいことは知らない。このアルバムでは、ブラジルの著名な 作曲家(ゴンザギーニャ、カエタノ・ヴェローゾ、イヴァン・リンス、ミルトン・ ナシメント)の作品を集…

イーグルズ / Hotel California (Elektra/Asylum/Nonsuch, 1976)

イーグルズの言わずと知れた名アルバム。寂寥感溢れるロックが堪能できる。 特に表題曲「ホテル・カリフォルニア」の激しい哀愁(旋律を変えて歌えば 日本のヒットチャートに載りそうな歌謡臭)をはじめ、作品全体に漂う何か 今にも消え入ってしまいそうな切…

北野勇作「どうぶつ図鑑 その1 かめ」(早川書房)

読了。 なんだか妙に亀づいている。単に二日続けて「亀」な小説を 読んでいるだけなんだが。短篇集だから、この作品集はわりと読みやすい。 「カメ天国の話」が、わりとくすくす笑える感じで好きだ。不条理SFという のかな。個人的に連想するのは、藤子・F・…

Kitano Yusaku -2

まろんさんからお借りした

北野勇作「かめくん」(徳間書店)読了。

これもまろんさんにお借りしたものだ。 ぼくは中学生以来、SF小説には、ほぼ縁の無い生活を送っているとばかり思っていた のだけれど、知らず知らずの間に、SFの基本的枠組みたいものは一応齧っていたらしい。 小説で読んだのは、市立図書館にあった世界名作…

舞城王太郎「世界は密室でできている。」(講談社)読了。

舞城とかいて「まいじょう」と読むらしい。'73年うまれだから、今年30歳。若いなあ。 最初10ページほど読んで、初期の村上龍(「コインロッカー・ベイビーズ」とか・笑)に 似ているかな、と思った。非常に砕けた躁的な文体で、ライトノベルを初めて読んだ者…

Maijyou Ohtaro

まろんさんにお借りした

MARRON -3

夕刻よりまろん邸にお邪魔する。最寄の駅からイエス『危機』を聴きながら 歩いていたら、体が熱くなってきてしまった。それにしてもドラムが変わった 叩き方をするなあ、バロックなキーボード最高、などと思いつつ音楽に昂奮 してしまったからに違いない。気…

宮沢章夫「百年目の青空」(マガジンハウス)読了

宮沢のエッセイを初めて 読んだときにまず思い出したのは、中学時代夢中になって読んだ椎名誠の エッセイだ。椎名のエッセイには東海林さだおの軽妙なや赤塚不二夫のまんがの テイストが垣間見られた。彼のほかに、‘昭和軽薄体’と括られた文体の作家で ほか…

ジェフ・ベック / There and Back (1980, Epic)

うわー。時代の音です。シンべ来たー!(クラビネットの音らしい)と叫んでいると、 ギターを抱えた宇宙人襲来という感じ。聴き始めてすぐに「ああ、ぼくは『Blow By Blow』のほうが好みだな」と思ってしまった。これは『Blow By Blow』『Wired』に続く、 ジ…

サンタナ / Welcome (1971, Sony)

1曲目を聴いて、「あら」と思った。このフレーズはどっかで聴いたことあるな。 そうドボルザークの「家路」のメロディが引用されているのだ。そういえば 最近聴いたスケッチ・ショウ『トロニカ』でもそれっぽいフレーズがあったね。 1曲目のタイトルは「Goin…

レッド・ツエッペリン / Led Zeppelin (1969, Atlantic)

レッド・ツエッペリンのファーストアルバムだ。ぼくが今までにきちんと 聴いたことがあるのは、5枚目の『聖なる館』だけで、それを聴いたのは ハードなロック未体験の時期だったのでぴんと来なかったのだが、今回は このグループの面白さが良く分かった。 ロ…

CD NO KANSOU -2

久しぶりに近所のレンタル屋へ足を運び、迷い迷った末、3枚借りる。

井上雄彦「バガボンド」(モーニングKC/講談社)1〜16巻読了。

耳子が彼氏に「おもしろいから読んでみて」と言われて一気に借りてきた。 彼女は「3巻までなんとか読んだけど、もういいや」と言って、紙袋ごと ぼくの部屋の入り口に置いていった。少女マンガを読んだ後にちょうどよく 口直しできそうだな、などと極めて不…

倉多江美 / ジョジョの詩 (フラワーコミックス / 小学館)

まろんさんに貸して頂いた倉多の単行本では、時系列に並べるとこれが一番 最初の様だ。昭和50年に発表された作品が収録されている。それにしても!! ここに収録されている「ジョジョとカーキ姫」シリーズの連作が、どれも すばらしい。ギャグ作品では「ぼさ…

倉多江美 / 傑作集3 栗の木のある家 (フラワーコミックス / 小学館)

収録作総ページ数の6割を「逸郎クンシリーズ」が占めている。「逸郎クン」の クンってとこに注目だろう。こういう表記は未だにあるのだろうか。倉多の丁度 20年前くらいの作品に「○○は××にラブしているのでした」とか、「△△は □□にお熱なのよ」などというセ…

少女マンガの世界 (後)

昨日に引き続き少女マンガの感想。

倉多江美「傑作集2 ぼさつ日記」(フラワーコミックス/小学館)

たぶんこの作品がとりわけ好きだ。それは作者が壊れていく様が、まんがに良くあらわれているからだと思う。基本的にギャグ。ギャグマンガほど体力の必要な分野もないというし、ギャグマンガ家は3年で潰れるという伝説もあるくらいだ。思えばギャグマンガはキ…

倉多江美「傑作集1 五十子さんの日」(フラワーコミックス/小学館)

まろんさんは「これは読むべきだよ、ウツボくん」と諭すような口調でそっと倉多江美を手渡した。しかも4冊だ。この作品集で、コミカルな…そう、こういうまんがの種類はラブコメちゅうのかな、みたいな感銘を受けたりした。そしてまた絵柄の崩れ具合というか…

くらもちふさこ「わずか1小節のラララ」(マーガレット・コミックス/集英社)

ロックバンドのマンガである。昭和51年から53年にかけて発表された「蘭丸団シリーズ」3作が収録されている。この頃、80年代、世の中では、イエローマジックオーケストラが一世を風靡してみたり、百恵ちゃん聖子ちゃんが人気を博したり、ピーナッツベンダーが…

少女マンガの世界 (前)

今日は少女漫画の話だ。要はお借りして読んだ少女マンガの感想文である。