2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸川乱歩 / 江戸川乱歩集 (創元推理文庫、日本探偵小説全集2)

未読の「陰獣」「目羅博士」「化人幻戯」「堀越捜査一課長殿」のみ読了。

ラジオアーカイブス「あの時この音」(NHK第1放送)

浜田国松衆議院議員と、答弁側の寺内寿一陸軍大臣の「割腹問答」(昭和12年) 斎藤隆夫議員が政治生命をかけて行った「反軍演説」(昭和15年) 歴史的録音ということは重々承知しているがそれにしても音声が聞きとりにくかった。

北村薫 / 街の灯 (文藝春秋)

筋そのものよりも、昭和初期の上流社会の雰囲気が浮世離れしていてたまらない。しかし北村のキャラ造形はいつもマンガ風味がある。これはなぜか。

原将人監督 / 20世紀ノスタルジア

何度見返しても発見がある。鬱になる。それにしてもこのご都合主義。そして激しいファンタシー。この映画を原将人は45、6歳で撮った。

小津安二郎監督 / 秋日和

原節子の容貌に衰えを感じた。東京タワーや清洲橋のショットが印象的。脇役の百合子が現代では受けるだろう。

チェット・ベイカー / Sings

CD

チェットのヴォーカルスタイルは「クルーナー」とまで言えないしろうとっぽさが残るが、雰囲気があり 好きなひとは好きだろう。しっかしこのひとはやはりトランペットのひとだと思う。インティメイトなプレイは 明らかにルイ・アームストロング、ビックス・…

バディ・リッチ / Big Band Machine

CD

御年58歳での愉快痛快爽快なビッグバンドファンキー大会。屈託のないサウンドにばりばりしびれまっす。最高。 ピート・タウンゼントのメドレーをやっているのだが、フーを聴いたことのない小生にはその面白みはわからず。

岩城宏之ほか指揮、NHK交響楽団演奏、中村紘子(ピアノ) / 尾高賞受賞作品2

CD

矢代のピアノコンチェルトの3楽章の冒頭部にあらわれるモチーフが「カルミナ・ブラーナ」に酷似していて印象的。 全体的にプログレッシブで現代的で不安で鬱っぽい音楽という感じがするが、おしなべて完成度は高く心地よく聴けた。

ジューイン・ソン(ピアノ) / 江文也:日本時代のピアノ曲

CD

日本統治時代の台湾で生まれたジャン・ウェンイエ(こう・ぶんや)の'35〜'36年にかけての作品集。 「5つのスケッチ」「三舞曲」などの印象派的作風のものが印象的だった。

斉藤環 / 社会的ひきこもり (PHP新書)

社会的な病理としての「ひきこもり」について平易かつ簡潔にまとめてある。 とても読みやすく、また、筆者の臨床経験に基づく自信が溢れた一冊。

種村季弘 / 江戸東京《奇想》徘徊記 (朝日新聞社)

粋と懐古のみならず、江都の逸話もとどまるところを知らず、ただ読むだけで精一杯。

第9回 定例飯会 with マコト(id:mktz128)氏@下北沢

2ヶ月ぶりの飯会は、半年振りの下北沢で。約4時間絶え間なく食べ続けながら、話し続けた。異例のない盛り上がり。 主な話題は生成文法、エスペラントと共産主義、落下加速度、1バイトは8ビット、磁気メモリ、近似と類語など。 その後マコト氏のお宅へお邪魔…

二ノ宮知子 / のだめカンタービレ (10巻、講談社)

めっぽう面白いんだが、そろそろきれいに終わってくれないかと思う今日この頃。

荒俣宏 / 屋根裏の読書虫(ダイヤモンド社)

あとがきが「読むほどに空しく」という題の下に書かれているのだが、これが読書虫にはたまらない一文。

リービ英雄 / 我的中国 (岩波書店)

外見は白人だが日本語を習得した作家が火車や汽車で彼の大陸を走り回り、それをセンシティブに拾い上げている。

岡崎武志 / 文庫本雑学ノート〈2冊目〉 (ダイヤモンド社)

文庫への偏愛を語っている。文庫の文字組み特集を仄かに期待したが、それはなかった。しかも「2冊目」だった。

摂氏華氏変換機

アメリカという国は未だにヤードやポンドやディグリース・フェルヒナントを使い続けているわけで、迷惑しているのである。 華氏451度=摂氏233度(ルイ・ブラッドベリ) 華氏911度=摂氏488度(マイケル・ムーア) 摂氏233度で紙は自然発火する。そして摂氏4…

スパイ大作戦「密室の金塊」(第3期54話、テレビ埼玉)

TV

あんなに細い傘型電熱器で空気を華氏2200度(摂氏1204度)まで加熱できるなんてスパイはすごいなあ。 「軍隊ゴロ」というフレーズは生まれて初めて聞いた様な気がする。カーツ大佐なんかも「軍隊ゴロ」かね。 しかし日本語で「ごろつき」というのはもはや死…

関川夏央 / 石ころだって役に立つ (集英社)

感傷的だが文章に品があるので良い。メランコリーも筆力があれば鑑賞に堪えうるという好例。

小谷野敦 / 間宮林蔵〈隠密説〉の虚実 (教育出版)

「間宮林蔵」と「シーボルト」という言説を先行研究を参照批判してごつごつと描いている。

ここのか

夕食(部分)

焼き茄子 なげやり麻婆豆腐

日下三蔵篇 / 乱歩の幻影(ちくま文庫)

島田荘司の表題作の気違いじみた感じが白眉。 山田風太郎の「伊賀の散歩者」は、激しくパスティーシュで読みながらにやにやしてしまう。

ケリーさんって、どんな人?

「どくろと骨」ってフレーズがきてます。いわゆるフラタニティですね。でもこのネーミングセンスはいってる。 子供向けに丁寧に書いてあるのはいいけれど、「ケリーさんは英雄だ」とそこまでさんづけにしなくても。 アメリカの州と連邦の関係もいいな。 「ア…

なにかようか

小澤征爾指揮、ボストン交響楽団・タングルウッド音楽祭合唱団演奏 / シェーンベルク:グレの歌

CD

清清しいほど力強くロマン派な曲想にびっくり。ちょっとワグナーみたい。 シェーンベルクの歌曲を初めて聴いたのだが、こういった己の中の甘さを壊したくて後の彼に到ったのかとぼんやり思う。

ピエール・ブーレーズ指揮、シカゴ交響楽団・合唱団演奏 / バルトーク:あやしの支那官吏、弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽

CD

「あやしの支那官吏」は、一般に「不思議な中国の役人」というタイトルで知られる。 Mandarinを「中国の役人」と訳すのはどう考えても頂けないな。猥雑さとポップ感覚が魅力的。 併録の「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」は同録曲の印象に押されて…

あいまいな記憶

種村季弘先生死去

種村先生が担当されていた一般教養の授業を採ったことがあります。 あれは大学をお辞めになる年でした。みんな講義を聞かないで寝ていたなあ。 壇上では先生が「昔、三島くんがねえ...」などとひっそりかつてのエピソードを開陳してました。 遠く懐かしい思…

たんぶりん・だうん