2020-01-01から1年間の記事一覧

働くことは苦痛か

同い年の長い付き合いの友人―親友と呼んでもよい―と話をしていて、「働くことは苦痛か」というテーマになった。Twitterでとあるアカウントが発言していたのがきっかけで、彼が共有したツイートの要旨はこんな感じである。「どんな仕事であってもしたくない。…

読書に特化された思念体になりたい

実は6月に温めていたアイデアがあって、それは10代の頃に大切にくりかえし聴いた音楽CDの思い出を絡めて、その曲目解説をすること。最初はクラフトワークの記事と決めていたのだが、それをどうやって書こうかと思いあぐねていたら6月が終わっていた。そして…

複数のブログを使い分ける方法について

大学に入った年が1999年で、もう21年も前になる。この21年間いろいろなことがあったが、一貫してウェブで文章を書き続けてきた。最初は大学のサーバーにホームページ(当時はあまりウェブサイトとは呼ばなかった)を開設して、そのあとYahoo!が運営していた…

ぼくのTSUTAYA小史

mistyさんがnoteで 僕とTSUTAYAとの歴史(エッセイ) という記事を書かれていて、それを楽しく読んだ。ぼくは一時期、博多名物のとんこつラーメンにハマっていたのだが、そのころは博多天神という四文字を目にするたびに、腹がぐうぅと鳴っていた。それはさ…

昔取った杵柄を再度手にすることについて

学生時代に高時給を目当てに始めたアルバイトが、コールセンターの受付スタッフだった。最初は大手ISPの料金センターで1年ほど働き、そのあとやはりウェブ申し込み中心の自動車保険の見積もりセンターで1年ほど働いた。 2005年の4月からサラリーマンとして働…

内的な焦土について ―心のうちで一度死んでしまうということ―

心もからだも、焼け野原になってしまい、ようやく呼吸をしながら、ひたすら寝床に横たわるやけぼっくいのような日々。ただ、最低限の生命活動を維持しているだけで、まるで人間的とはいえない生活。社会も世界も経済も文化も、おのれとは断ち切られている、…

7冊の思い出の本を紹介する 第1回 長谷邦夫『ニッポン漫画家名鑑』

いま、コロナショックに激しく揺れる巷では、好きな本を1日1冊、7日間投稿する「7日間ブックカバーチャレンジ」というバトンが流行っています。ぼくも、とある古い友人からバトンを受け取ってくれないかと打診を受けました。篤実で温厚な性格の友人には無慈…

4月前半に観た/観直した映画12本の感想まとめ

4月1日、大島渚監督『東京战争戦後秘話』(1970年)を観た。1969年4月28日以降の東京を舞台に映画の制作を通じて闘争する男=元木の心象風景が描かれる。闘争は行き詰まり、元木は自殺するが明らかに当時の大島監督の内面が投影されている。音楽は武満徹。主…

まるで街が死んだような日

毎月一度、品川のとある精神科に通っています。もう11年経ちます。きょうは、採血と採尿のため、朝9時ころに起きて朝食を摂らずに、コップで水を飲んだ後すぐに着替えて家を出ました。西武新宿線で高田馬場まで出て、そこからJR山手線に乗り換え、品川までは…

ためしに遺書を書いてみた(2020年4月版)*注意* 余命2週間でも、自殺するわけでもありません

親愛なるみなさんへ このたび、大変残念ですが、余命2週間と主治医から診断されました。まだフッサールもカントもプラトンもほとんど読めていないので、この世からお別れするのは非常に悔しいのですが、そもそも永遠に生きることはできない相談ですので、比…

40回目のエイプリルフール

2020年の4月1日を迎えた。新年度というやつだ。新年度になり、ぼくは無職になった。先月はわれながらよく働いたと思う。しかし1か月の短期契約の派遣労働だったから、また職探しをせねばならない。そんなことを考えながら納豆ご飯を食べる。ぼくは毎朝必ず納…

自分の読書会にオンライン参加してみたこと

2010年10月末から、友人の東間嶺(とうま れい)くんとふたりで新宿文藝シンジケートという読書会を始めました。3/28(土)はその108回目の読書会で、課題図書は矢島道子さん(古生物学者・科学史家)の『地質学者ナウマン伝』(朝日選書)でした。ぼくは家…

派遣労働者になってみて その1

ぼくは10年ほど前にサラリーマンを辞めてから、無職を経て、アルバイトで模試の採点をやっていた。時給は安かったが、交通費も出るし、わりと気に入っていたが、実質的には貯金を切り崩しながら暮らしていて、それも尽きた(その間には妻との別居と離婚があ…