21:30頃。UAが退席。
菊地:「人に歴史ありとは言うが、私も43歳になった。2004年、40歳。ソロアルバム、いよいよリーダーアルバムを作らなくちゃと思って、『Degustation a Jazz』というアルバムを作った。これは2003年にスペインのあるレストランで始まった「デギュスタシオン・コース」というスタイルが、全世界の料理マスコミに騒がれて、それにヒントを得たもの。音楽で、「デギュスタシオン・コース」をやろう、という動機で制作した。フランス料理は通常、オードブル(前菜)、アントレ(主菜)、デセール(デザート)という構成だけれども、一口ずつのディッシュが64皿〜68皿続くという、料理界のポストモダン。初のソロアルバムということで、歌のある曲もやった。その曲もとても短く編集して収録したので、せっかくのお祝いとはいえ、もったいない。歌のあるトラックだけ集めてミニアルバムを出した→『CHANSONS EXTRAITES DE DEGUSTATION A JAZZ』
♪「アルト・サックス、ウッドベース、ドラムス、 ハープによる無調クールジャズ風」
♪「プリペアード・アコースティック・ギターとアルト・サックスによる無調ヴォサ・ノヴァ」
♪「色彩のサンバ」*1
- 2枚目のソロアルバム:『南米のエリザベス・テーラー』。エスクァイア誌の南米特集*2で、南米なのに住人の98パーセントが白人というアルゼンチンはブエノスアイレスに滞在し、日本から最も遠い場所で制作の動機を得た。フェイク・アルゼンチン・タンゴを作ろうと思った。子供のころ好きだったムード歌謡のテイストが反映されている。『南米のエリザベス・テイラー』というのは、全世界に二流の女優(香港のエリザベス・テイラー、東京のエリザベス・テイラーetc)というものが存在したであろうという妄想に基づいたもので、アルゼンチンにいるであろう幻の『南米のエリザベス・テイラー』を捜し求める作品。