もう3月だぜ

細野晴臣さんの『HOCHONO HOUSE』がリリースされたので、さっそくGooglePlayMusicで聴いた。リリースされて30分後にはオンラインで聴けるのだから凄い。ファーストインプレッションは「磨きこまれた天然木のようなサウンド」。1か月前は友人が演奏した無調の音楽の美しさをどのような比喩に託せばよいのか考え込んでいたのだが、それから1か月経って、こんどは調性ある録音された音楽の美しさをどのようなそれに託せばよいのか考えている。ひんぱんに音楽について考えてはいるのだが、最近書くことを怠っているなと、はてなブログからのメールで気づかされた(はてなブログユーザーの方ならお分かりだと思うのだが、このブログは記事を書いていないと1か月をめどに「記事を書きませんか」と促すメールを送ってくる)。

細野さんの『HOCHONO HOUSE』は、1973年にリリースされた『HOSONO HOUSE』というファーストアルバムの収録曲を2018年から19年にかけて、正反対の順番で新たに構築して録音し直したもの。そういう意味では新曲は1曲もないのだが、確かに新しさが感じられる。率直に言えば、細野さんの編曲の巧みさ、丁寧さ、深さがしみじみと味わえる作品なのだ。音による美的な工芸品とでも例えたらいいだろうか。まだ言葉を重ねることに衒いがあるので、くりかえし聴いて、印象を定着させていきたいと思う。しかし、アルバムを最初に一周聴いて思ったことは「良い!かっこいい!もう1回最初から聴きたい!!」。この思いが一回また一回聴きこむたびにじわじわと強くなっていくのではないだろうか。