自分の読書会にオンライン参加してみたこと

2010年10月末から、友人の東間嶺(とうま れい)くんとふたりで新宿文藝シンジケートという読書会を始めました。3/28(土)はその108回目の読書会で、課題図書は矢島道子さん(古生物学者科学史家)の『地質学者ナウマン伝』(朝日選書)でした。ぼくは家庭の事情で、参加者のスマフォを通じてLINEの無料通話サービスを利用し参加することになりました。自分の読書会はどんなに体調が悪くても休むことはなかったけれど、同居している母が毎週高齢の祖母の家に通っているので、祖母への新型コロナウィルスの感染を避けるため、会場である路地と人(水道橋)へ行くのはあきらめました。

 

LINEの無料通話サービスは音声が意外と安定していて、無料としてはじゅうぶんなクオリティだと感じました。ぼくは素人ですが、コロナウィルスの流行とその影響は3-4年とみていて、多くの人が思っている以上に長期戦になると考えています。もちろん1日でも早く流行が収まってくれればいいのですが、ウィルスは人体内で変異を起こす可能性が高いですし、この感染力の高さからいって、より悪質に変異すると考えておいた方がよいように思うのです。そうすると、より厳しい生活態度を継続的に求められることになります。週末の外出自粛というレベルではなく、緊急事態が宣言され、東京が一定期間"封鎖"された場合、都内に場所を借りて、そこにみなで集まり、読書会を開くということはできなくなるでしょう。

約10年間続けてきてもはやライフワークのようになっているので、LINEやそのほかのSNSなどを利用し、オンライン読書会を連続的に行うことを視野に入れて、今後の運営について検討していく必要が生じています。ぼくは、ひとつの場に集まって、その人その人の"声"に耳をすますことは、とても大切で、有り難いことだと考えています。読書会で同じ時間と空間をともに分かち合うことは、きわめてささやかなことですけれど、大きな愉しみですし、生きていくうえで欠かせないものだと感じています。ちょっとのめりこみすぎでは、と思われてしまうかもしれませんけどね。

コロナウィルスの影響が長期化すると、生活のあらゆる分野でオンライン化が加速度的に進むでしょう。オンライン読書会だけでなく、オンライン飲み会、オンライン合コン、オンライン面接、チャット・メール・ビデオ会議などを中心とするテレワーク...。そうすると世界中にあるサーバーコンピューターやネットワーク機器に対する負荷も非常に大きくなり、膨大なデータがネット空間を占有することになります。そのことでサービスがダウンしたり、遅延したりするケースも増加すると思うのです。そのことを踏まえると、なるべく参加者に、またインターネット全体への負荷がかからないように、レジュメは電子ファイルをGoogleドライブなどにあらかじめアップロードし、音声サービスを中心に活用し読書会を続けていくのが妥当な線です。オンライン読書会はデメリットもありますが、メリットもあると思うので、これを契機に自分たちの楽しいいとなみのもうひとつのあり方を試行錯誤してみるのもよいことなのかもしれません。