【シリーズ:思い出のファミコン】第1回 ドラゴンスクロール 甦りし魔竜(1987年、コナミ)



最近なんだかとっても後ろ向きになりながら前に進んでいるので、たまには回顧的な記事を書いてみようと思います。わずか28歳で人生を回顧というのもおこがましいですが、題して、シリーズ:思い出のファミコン。うわ、ありがち。

  • タイトル:ドラゴンスクロール 甦りし魔竜
  • メーカ:コナミ
  • 発売日:1987年12月4日
  • ジャンル:アクションRPG
  • 定価:5300円




現在30前後のみなさんは、ファミリーコンピュータ(以下ファミコン)バリバリ現役世代でしょう。わたしも類に漏れずそのうちの一人なのです。みなさんは、いったいどうやってファミコンを手に入れましたか。覚えてますか。きっと親御さんに買ってもらったというケースが多いでしょう。わたしもそのうちのひとりですが、わたしの両親は実に堅物だったので、交渉するというか、頼み込むのが大変でした。母は「お父さんがイイというまでダメ!」と頑なな態度を貫き通したので、結果交渉相手は父ということになりました。わたしは当時純朴な少年でしたので、父を無条件にリスペクトしており、同時に畏怖する対象でもありました(だってでっかいごはん茶碗で朝から3杯も食べるんだぜ!)。父は「友達が持っているから、自分もほしいというのはダメだ。なぜそれが欲しいのか、お父さんにも分かるように説明してごらん」と言って、わたしをほとほと困らせました。わずか8歳の小学生にはこの課題はなかなか重いものです。友達が持っているから、自分も欲しいというのは、たしかに(模倣的な)消費主義的欲望としてありがちなパターンです。しかし、父は、その欲望の独自性を示せという。なんたる教育・・・。というわけで、わたしは何を思いついたか、スーパーマリオブラザーズのパラパラマンガ(せいぜい、マリオがジャンプして穴を飛び越え、クリボーをやっつける、といったような短いもの)を必死に作ったのでした。おそらく4、5日はかけてつくったと思うのですが、現存しておらずお見せできないのが大変残念です。パラパラマンガのアイデアをどこから得たのかよく覚えていませんが、当時は『マンガの描き方』のようなハウトゥー本も読んでいたので、それを真似したのでしょう。というか実際、小学校ではマンガを大学ノートに連載(笑)して、友人同士で交換して読みあうのが流行していましたから、自分の得意なマンガに訴えてみようと思ったのでしょう。


わたしのパラパラマンガを見て母が驚き、やがてそれは父も目にすることになりました。そして、1988年9月、わたしの8歳の誕生日プレゼントとして、ファミコンが我が家にやってきました。そしてわたしは思わずうめきました。「ドラクエを買ってきて、って言ったのに・・・」。今でもあのショックはよく覚えています。「だってあんたドラゴンなんとかって言ったじゃないの。店員さんに聞いたらこれだって・・・」「ちがうよ、これドラクエじゃないよ・・・・・・!」。全国の小学生の子供を持つ家庭できっとこれと似たような光景が繰り広げられていたことでしょう。母がファミコン本体と買ってきたのが、掲題の『ドラゴンスクロール 甦りし魔竜』です。本作は1987年(昭和62年)コナミから発売されたアクションRPG作品です。主人公は杖から放つ光線のようなもので敵キャラクタを倒しながら、世界を巡ります。クロムドラゴンという悪の化身を封印していた魔術書(何冊か忘れました)が、心無い盗賊たちに盗まれ世界中に離散したことで、ドラゴンが復活してしまったため、世界中から魔術書を回収し、ドラゴンを退治するというきわめて単純なストーリーです。当時徳間書店から出版されていた攻略本も買い求め、なんどかクリアを試みたのですが、結局クリアできずその年の冬(クリスマス)には念願の『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・』(エニックス)を入手して、この作品のことはすっかり忘れさることになりました。しかしながら、最近ニコニコ動画で下記の動画を発見してしまい、恥ずかしくも感涙するに至ったのです。「いやあ、音楽がよかったー。そう、よくわからないゲームだったけど、音楽がよかったんだよー」としみじみ。というわけでお暇があったら、ぜひ本エントリ下部にあるBGM集をご堪能ください。4和音でこれだけの曲想を表現できるってのは、凄いよなあ。曲調もバロック風、フラメンコ風など多彩。で、このBGMを作った作家というのはおそらくいまでも存命なのでしょうが、無名の方なのですね。このゲームがやはりドラクエとは違って、日の目を浴びなかったから、ということなのでしょう。というわけでまとまりませんが、また次回。