2018-01-01から1年間の記事一覧

おれわた2018 ―さえきかずひこの場合

かなしいうわさの石井さんのおれわたは2018年も育児休業されるとのことで、ことしも一人でやります。----- ■2018年にリリースされた音楽で、良かったものベスト10 ボブ・ラディックがリマスタリングしたYMO『Solid State Survivor』(オリジナル:1979年)。…

2018年 あれ読んだこれ読んだ ―さえきかずひこの場合

2018年、ことし一年間に読んだ本の中から素晴らしいと感じたものを10作品選んでみました。 リュディガー・ザフランスキー『ショーペンハウアー』(法政大学出版局) 仲正昌樹『「自由」は定義できるか』(バジリコ) 冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ』(岩波書…

壊れたままで........師走

お寒うございます。去る12/9の朝、愛機ThinkPad L530が突然壊れました。このPC何年くらい使ったんだろう…思い出せないw そしていま、新しい愛機ThinkPad L530(2代目)でこの記事を書いています。おまけに、きょう、仕事帰りにPASMOも壊れました。プラスチッ…

読書に合う音楽 ―ハイドン、スカルラッティ、そしてドトール店内のBGM

自室で本を読むときにはたいてい小さめのボリュームで音楽をかけている。ことしの前半はハイドンのシンフォニーにたいへんお世話になった。ハイドンの音楽は、バッハのそれよりはずっとくだけた調子でありながら、明晰で、作曲家のくだらない自意識などみじ…

11月を期に8月をふりかえる。

2018年も11月になってしまった。ことしはあと2ヶ月で終わる。暦など便宜的なものに過ぎない。それは38年も生きているのでさすがに分かっている。が、しかし、その便宜に詩情が宿ったりするので、人生は厄介である。そして、その厄介な人生とは主にぼくの人生…

じゃ、YMOのこのリマスター盤お聴きになりますか?

YMO『Neue Tanz』がぼくの使っているGooglePlayMusicでも配信されたので聴きました(リンク先はAmazon)。 中低域がぐっと引き出された処理が現代風。とくにパーカッションの音色のこだわりにまりんらしさを感じます。まさに今どきのクラブでそのままかけてイ…

ぼくは何になろうとしているのか。

ぼくはことしに入ってから、とりわけ3月以降、読書と執筆に魂を燃やし始めた。新訳の『死に至る病』(講談社学術文庫)を読み、隣町の喫茶店の薄暗いテーブル席で烈しい衝撃を受けたあのとき、脳内の何かが弾けてしまったようなのだ。キルケゴールの信仰観に…

ウェブサイト移転完了

むかし作っていたウェブサイト(フロスティッドグラス http://www.geocities.jp/utubotique/)はgeocitiesに長らくお世話になっていたのですが、geocitiesは2019年3月末でサービス終了するとのことで、xreaに移転させました。無料ドメインが1年間付いてくる…

ディオゲネス・アレン『Three Outsiders』について

Amazonで注文していたDiogenes Allen(1932-2013)の『Three Outsiders』(1983, Cowley Publications)が夕方手元に届いた。テキサス州リッチモンドのErgode Booksというところから発送されたのだが、予定よりも1週間以上早く着いた。 この『Three Outsiders』…

エヴァ再見

新世紀エヴァンゲリオン 第壱話から第八話まで一気に観た。ミサトやリツコの服装が80sだという友の指摘にハッとさせられた。シンジのエヴァ搭乗への逡巡や恐怖は特に異常な感じもしないが、葛藤を繰り返し描くところは印象的。第八話でアスカとして登場する…

2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせ

2003年から長らく愛用してきたはてなダイアリー(http://d.hatena.ne.jp/)が19年春に終了すると発表されました。 2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はてなダイアリー日記 古参ユーザーとしてはとても残念に思…

[報知]2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせ

詳細はこちら http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20180830/blog_unify2003年から長らく愛用してきたはてなダイアリーが終了すると発表されました。 古参ユーザーとしてはこのニュースはとても残念に思っています。しかし、まあ仕方ないですね。 はてなダイ…

庵野秀明総監督 / 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

けさ、4時過ぎから思い立って久しぶりに観返した。とても良かった。言うまでもなく庵野監督の内面を世界に投影している点ではテレビシリーズの弐拾伍/弐拾六話と変わらないのだが、娯楽作としてまた劇場版として完成度が遥かに増している。戦自のネルフ侵攻…

[RADIO]クラシックの迷宮 ▽名歌手・平山美智子が残したもの 〜NHKアーカイブスから@NHK-FM

楽曲 「“プラーナム1”から」 G.シェルシ:作曲 (ソプラノ)平山美智子、(演奏)アド・ホック・アンサンブル、(指揮)ヴィエリ・トサッティ (0分38秒) <Edition RZ ED RZ 1014> 「ミュージカル“オクラホマ” (※当時の放送では「歌劇」と表記)」 O.ハマ…

[催]小林このみトリオ アップライトピアノのためのコンサート 第二回@水道橋・ftarri

Program L.v.ベートーヴェン:ソナタ 第30番 op.109 第1楽章 Ludwig van Beethoven:Sonata No.30 op.109 1st movement (1820) ヘンリー・カウエル:エオリアン・ハープ Henry Cowell:Aeolian Harp(1923) ジョルジ・リゲティ:エチュード第2巻より 第8番「金…

[催]伊藤誠・吉川陽一郎二人展「太陽の東 月の西」@東小金井・双ギャラリー

[雑文]国立国会図書館へ行ってきた

きょう、初めて千代田区にある国立国会図書館へ行ってきました!!!午後一番の時間帯、整然とした、静かな、広い空間で無数の人々が検索端末に向かい黙々と調べものをしている…。なんだか、うっとりしてしまいました。 というのはウソで、初めてなもので検索の…

[催]栗コーダー&フレンズ@吉祥寺スターパインズカフェ

スターパインズカフェを訪ねるのは10年ぶり。圧倒的な音楽力に打ちのめされました。美メロ。そして川口さんもMCで言及されてましたが、コンポステラを彷彿とさせる豊穣な響き。前半は、ビューティフルハミングバード小池光子さんの歌声が美しすぎて、何度も…

[雑文]ヴァイオリン作品の探求 その1

YouTubeで第15回ヴィエニャフスキ・国際ヴァイオリン・コンペティションのヴェロニカ・ジャーデク(ポーランド人)の演奏を聴いた。ヴァイオリンという楽器に疎いので「まず、ヴィエニャフスキ、誰?」という感じ。不勉強のそしりを免れないw ヴェロニカさ…

[雑文]キェルケゴールにとっての永遠

グレゴーア・マランチュク『キェルケゴールの弁証法と実存』(大谷長訳、東方出版、1984年)を読んでいます。神話の考察を通して、キェルケゴールが永遠という概念の本質について考えている(そしてそれをマランチュクが整理している)のだけれど、とても興…

[雑文]SNS時代の音楽批評

SNSの普及もあり、人びとが共感し合うことを元にコミュニケーションを図る傾向は強まり、それはとどまることを知らない。そんな時代に音楽を批評することは益々困難になっていくだろう。しかし、ぼくはあまりその困難さを恐れていない。なぜなら、すぐれた真…

[雑文]音楽と書物の探求

音楽と書物を愛好して四半世紀くらい経つのですが、これらを摂取するにはとにかく時間がかかります。なので、それ以外に必要な時間を最小化せねばならない。音楽と書物によってもたらされる豊穣な体験を知ってしまうと、もうもとのからだには戻れませんw そ…

[雑文]On a Schumann's Quartet

Schumann's Quartet for Piano, Violin, Viola & Cello, Op.47 is very beautiful work. And its 3rd movement is especially so sweet, painful and makes me commit suicide. Its strings section sings sad deeply and melancholically. The piano accomp…

[雑文]多元宇宙論と西田哲学

山本直樹先生ととてもめずらしくさし飲み。マックス・テグマークの数学的宇宙仮説についての話を聞く。数学的に存在できるものは、物理的に実在するという考えにもとづく多元宇宙論なのだが、ふだん全く接しない分野なので話を聞いていて頭がクラクラした。…

[雑文]新書よりも論文を読め62について

荒木優太さんの「新書よりも論文を読め」は毎回楽しく観ており、またなるべく、その内容の紹介を含めてツイートするようにしているのだが、扱われる論文そのものを読むまでにはなかなか至らない(加えて言うと、ツイートする元気すらなく、ただぼんやり観て…

[Opinion]On Moritomo Gakuen's Issue

Power tends to corrupt. In connection with the unjust acquisition of the land of Moritomo Gakuen group, the fraud was collusion of Japan Ministry of Finance and the General Accounting Office.This is a very scandal and the shame of the coun…

[雑文]祈り

7年前、ぼくはまだサラリーマンで大手町のビルの2階で地震を感じたのだった。激しい揺れで震度6以上だと直感した。その日は鉄道が止まって帰宅できず、ビルの1階にあったコンビニからは早々と商品が無くなった。‬ぼくは仕方なくそこで買った袋菓子を、夕飯の…

[夢日記]生まれ変わる

けさ見た夢がものすごく異様だった。自分がとことん嫌になり、新しい自分として生まれ変わるのだが、そのための修行として、分厚いノートに何か書かなくてはならない。ところがそのノートはいくら書いても白いままで一向にページが埋まらない。しかしぼくは…

[critique]Comparing Grimaud's Schumann's Piano Concerto with Buniatishvili's One

Both Khatia Buniatishvili and Hélène Grimaud are great today's pianists and I listened to their works well last year. Buniatishvili's work was Rachmaninoff:Piano Concertos No2. and 3 with Chech Phillharmonic conducted by Paavo Järvi(Sony).…

[催] レクチャー:ピート・ヤン・ファンロッサム「最近の作品と日本音楽への興味」@JMLセミナー入野義朗音楽研究所

2018年2月25日(土)午後6時過ぎから、世田谷区松原に所在するJMLにて、オランダの作曲家、ピート=ヤン・ファン・ロッサム氏の最近作についてのレクチュアが開かれた。JMLは京王線明大前駅から徒歩10分ほどの閑静な住宅街に位置する音楽の学校・交流の場で…