紙のおとうた通信、発刊のお知らせ



10年来の友人、マサオさんがここ2年来続けてきた関西のライブ/コンサート情報サイト、おとうた通信が去る3月25日を以って紙メディア化(フリーペーパー化)したのでお知らせします。文庫版サイズの4つ折8面のリーフレット形式でこんな具合です(掲載画像はごらんの通り、縮小しています)。むろん紙メディア化したというよりは、ウェブと紙と並行してこの先も続いていくようなのですが、なんと紙版は月刊で製作予定とのこと。なかなか大変な作業だとは思いますが、心より応援したくここにご紹介する次第です。



表紙・裏表紙(兼奥付)



本文(ライブ/コンサート情報のスケジュールリスト)






管見では、音楽情報の告知媒体については12,3年ほど前までは紙メディアが中心でした。その頃からインターネットの普及(ブロードバンド化)も徐々に進み、特にポップ音楽を中心とする熱心な音楽ファンにおいては、システマティックかつ定期的に刊行される音楽情報誌より、個人が運営する音楽情報サイトやブログに注目が集まってきたように思います。むろん、テレビやラジオといったメディアにおいても莫大な音楽情報は垂れ流され、特にテレビは大きなバジェットで動くヒットチャート中心の情報、ラジオ(特にFM)ではよりマイナーで先鋭的/実験的な音楽情報が溢れていましたが、それらの情報はあくまでも広告に過ぎませんでした。テキストサイト時代〜ブログ時代を通じて、個人が運営する日本のポップスニュースサイト(ミュージックマシーン・・・ナタリーへと事業化して発展的に解消/一時期の菊地成孔ファンサイトとしてのエスロピ2など)では、選者の嗜好=趣味の偏りとピックアップの方法やデータの見せ方が独特の魅力となり、一定の人気を誇ったように認識しています。今回ご紹介する(紙の)おとうた通信もこの系譜に連なるウェブサイト(ブログ)のひとつだとわたしは考えています。



ブログということばは2003年ころまであまり一般的でなかったはずです。わたしがはてなダイアリーを使い始めた6年ほど前、はてなダイアリーもブログとはまだ名乗っていませんでした。2009年のこんにち、一般にも"ブログ"がなにかということがすっかり膾炙し、ブログで公開されたドキュメントが再編集され続々と書籍化されるようになり、インターネット(ディスプレイから検索/閲覧する情報)の利便性を知らしめると同時に、紙媒体のメディアとしての見直し(再評価)が起きているとわたしは考えています。それは書籍や雑誌の売り上げとは必ずしも関連していないでしょうが、ここで肝腎なのはやはり、紙メディアの一覧性の高さや丈夫さといったシンプルさではないでしょうか。紙のおとうた通信は、編集者のマサオさんのユニークな視点(現代の情報弱者に対しての寛容さ)に立脚し、関西圏の音楽ファンの中で一定の評価を得るものと確信しています。むろん継続的に発行されることが重要な条件となりますが、そのためにもみなさんも目にする機会があれば、ぜひ一度手にとってごらんください(配布場所についてはこちらでご確認ください/今後も増えていく模様です)。




面白そうなイベントは外に出れば山ほど転がっているのに、お金はそんなにないし、体もひとつしかない。それなら、せめてこの情報を発信して、誰かに代わりに行ってもらおう―そんな思いから「おとうた通信」というライブ情報サイトを始めて、もうすぐ2年になります。おかげさまで多くの方にアクセスしていただき、さらに更新に熱が入る・・・という日々を送っているんですが、「速報ばかりが更新され、直近にどんなイベントがあるのか分かりにくい」「パソコンや携帯を持っていない人には情報が伝わらない」ということがずっと気になっていて、今回こういうものを作ってみました。


創刊にあたって