姫野カオルコ『整形美女』読了



論理性を欠いたことばを発するものこそ美人である、という話。論理(言語)は美と相容れない。
しかし、美はつねに言語によって表現されることから生まれる矛盾。わたしが「美しい」ということは
ほとんど信念にもとづくものであり、「美しくありたい」という欲望には際限がない。
適度のナルシズム(理屈では語れない自己への愛)がわりとあなたを美人にするかもしれない。
美容整形を経験するふたりの女を描くことから、ひとにとって美醜とはなにか、
という問題に鋭く迫っている。とめどない観察眼にただただ敬服。作家って、すごいものだな。