ごうかにほんだて



1. ぼくは高校生で、3年生の時の教室にいる。昼休みが終わって自分の席に戻ると、
渋谷ウッドストック(※1)でのDJパーティーのチケット(8月13日の公演)が、椅子の下に
落ちているのに気づく。なに食わぬ顔で、それを財布にしまい込むのだが、放課後、
そのチケットを無くして困っているクラスメイトの女子がぼくの席に訊ねにくる。
昼食のときに、ぼくの席をつかい、どうやらそこで、チケットを落としたらしいのだ。


ぼくはしらを切りとおすが、彼女と仲のいい(彼氏なのかもしれない)伊集院光に、
校舎の裏に呼び出される。すると校舎の裏は崖になっている。ぼくはつい彼が崖から
転落してくれる様に祈ってしまう。すると彼はぼくへの疑いのことばを口にしながら
足を踏み外して断崖絶壁から転げ落ちる(崖の下はいつの間にか海になっている)。
「しまった」と思うが、誰も見ていないかったので、まあいいやと思ってドキドキ
しながら教室に帰る。教室に帰ると、伊集院がすでに教室に戻っており、女の子と
さらに詰問。ぼくは結局ウソを突きとおせず、とうとうチケットを彼女に返すと、
彼女はぼくを何一つ責めることなく去っていく。チケットが手に戻ればそれでいいらしい。


※1 実在しない。おそらくジミ・ヘンドリクス『Live at Woodstock』の聴き過ぎ。


2. ぼくはヘビメタ会社(※2)の新入社員になれたので研修を受けることになった。今すぐ、
会社をやめてどこかへ行ってしまいたいのだが、先輩社員がこわくてとてもそんなことは
言えそうに無い。そしてとうとう、研修の内容が言い渡される。「新人茶漬け500リットル」。
新人はみなこのノルマを克服するものだというが、ぼくはとても無理だと思う。茶漬けを
500リットル食うことに何の意味があるのだ。先輩社員は「別に意味なんてない、誰でも
できる」と笑いながらいうが、ぼくはなんだかとても空しくて、夏休みには花火が見たいと思う。


※2 業務内容は不明。おそらくビートルズ「Helter Skelter」にインスパイアされたのだろう。