関川夏央 / 二葉亭四迷の明治四十一年(新潮文庫)



二葉亭四迷っていったらうら若きウツボ齢13の時分に、学習塾で「文学史」として覚えた
浮雲」のひと、であって、言文一致のひとであって、というまあ、ただそれだけであったのです。以来10年ほど。
ところがこの本を読むと欧化風まだ新鮮なりき御世のインテリゲンチアて清清しいもんだなあ、と。
そして・・・ねえ、露西亜ですよ、露西亜露西亜がまだ、何かサムシングを持っていた時代なんですねえ。100年位前って。
二葉亭四迷は小説家としては失敗したけれども、その人生はまごうことなき文学してると
そういった塩梅でありんす旦那。いい本ですので、来るべき新年の三が日にでもお読みあそばせ。
お供はもちろん炬燵と蜜柑でそこんとこ4649。