高橋源一郎 / ゴヂラ(新潮社)



世界とはつまり石神井公園みたいなもので、そこから誰も抜け出せない(生きている限りは)。
生きている間に見ることの出来る光景も、知りうる異性の肉体も、成し得る悪徳の精神もせいぜい
銀河系における石神井公園みたいなものに過ぎない。
それにしても小説に「西武新宿線武蔵関駅」というフレーズが出てくる時点でぐっと来たね。
西武新宿線武蔵関駅」というフレーズが登場する小説は今後も、高橋源一郎の作品を除いてないだろう。
というわけで、東京周りのアンニュイで倦んだ郊外な雰囲気の一冊。軽くてアホっぽくてすぐ読めます。
しかし、こういった文章ってどう首をひねったら転がり落ちてくるのだろうか。