正高信男 / ケータイを持ったサル(中公新書)



扇情的なタイトルに惹かれて読んだ。たぶん編集者の思う壺である。

あとがきが特に面白かった。



「例えば「はじめにロゴスありき」というフレーズにあるように、私たちがものを考える際には、心の中でことばを操るのがふつうとされている。
しかし生物としての人間に返るならば、内言語などさほど必要ではないのかもしれない。」(p.184)


そんな人間の先祖帰り(サル化)をこれからも観察していくよ、と結んで終わる一冊。
ちょっと『動物化するポストモダン』を思い出したり。人間の動物化ってのは流行のキーワードなのか。