電車男の伊藤淳史



 先々週偶然「電車男」の第1回を観たのだが、主演が伊藤淳史なので驚いた。彼は昔、とんねるずの番組にチビノリダーとして出演していたらしいが、そのころのことは知らない。彼のことを知ったきっかけは、長尾直樹監督『鉄塔武蔵野線』という映画だ。銀林みのる原作で、小説は日本ファンタジーノベル大賞(第6回)を受賞している。ある日高圧鉄塔に番号が振られていることに気づいた少年が、夏休みに友人と自転車で1番目の鉄塔を探しにでかけるという、小さな冒険物語なのだが、この映画での伊藤は実によかった。このあとずいぶん映画にも出ているようだ。


 わたしは特に彼に気を留めることも無く過ごしていたが、一度電車の吊り広告か雑誌の広告で、彼が女装している姿を見たことがあって、そのうちテレビドラマにでも出てくるのではないかな、と思っていたらついに来た! 彼のような演技力があって、ルックスで売るタイプでない役者は、年をとっていくのが楽しみである。「電車男」での熱演も光っているが、このあと、どういったふうに成長していくかが楽しみだ。