菊地成孔の仕事論@COBS



 『COBS』(毎日コミュニケーションズ)というフリーペーパー(若い社会人向けの情報誌)がありまして、それが先日(といっても2週間くらい前)送られてきたのですが、その中に菊地成孔へのインタビュー記事(3ページ)があったので、一部抜いてみます。





菊地 地獄でもありますよね、好きなことを仕事にするというのは(略)今、世間から好きなことをやって成功したと見られている人たちは、成功談ばかりでなく、もっと苦労や苦しみ、リスクを語るべきだと思いますよ


好きなことを仕事にしようとするから、そこに迷いや苦しみが生まれる。そうではなく、『仕事にしたことを好きになる』という選択肢もあるはずです。そういう発想の転換をした方が、どんな人にとっても仕事への充足感や幸福感へと繋がりやすいのではないかと思いますね


音楽に関しては、もう本当に自分の好きなことをやっていますから。これはある種のフェティシズムであって、使命感みたいなものはありません。むしろ、僕自身も一歩間違えばそうだったかもしれないという思いから、ニート世代とそれを生み出している社会に対して何かを発信していかなければならないという使命感みたいなものは感じますよね


最近の風潮として、人生=博打みたいな側面が強くなっているように感じます。大きな成功を求めて勝負に出るみたいなこと。もちろん、人生にはそういう側面も必要なんだけど、一方で地道に努力を積み重ねていくことも絶対に必要。博打だけじゃリスキーだし、努力だけでは楽しくない。どちらもバランス良く必要だというメッセージが忘れ去られているように思います




 ひじょうにまっとうな発言ですなあ。「ニート世代とそれを生み出している社会に対して何かを発信していかなければならないという使命感みたいなもの」を感じる、という発言は媒体を考えてのことでしょうか。意外。