芹沢一也 / 狂気と犯罪―なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか (講談社+α新書)

狂気と犯罪 (講談社+α新書)

  • 「人は犯罪者でありかつ「狂人」であることはできない」(98頁)
  • 「狂気」にたいする「排除」(「犯罪」そのものについての関心)と「閉じ込め」(「人間」についての関心、江戸/近代の差異 110頁)
  • 「監獄」は犯罪者の矯正施設=囚人に規律を叩き込む「学校」
  • 近代の権力は人間を矯正する
  • 「犯罪者を理解せよ」というテーゼ
  • 刑事裁判に介入する精神医学
  • 現代の刑事裁判は違法行為のみによって裁かない(罪刑法定主義の否定)
  • 精神障害者人道主義のもとでは「人間であること」からすら疎外されている」(139頁)
  • 「犯罪の異常性が高まるほど、刑が軽減される傾向を生む」(140頁)
  • 社会、法の世界から共に排除される精神障害の犯罪者
  • 罪を犯す可能性のある(悪性の)精神障害者を裁けるかという問題
  • 「悪性とは狂気である」という精神医学の危険なテーゼ
  • 法の世界における自由は社会的監禁を意味する
  • 医療法特例→精神病院では診療報酬が低い→郊外でスタッフを切り詰め、人件費抑制→患者の詰め込み、薬漬け治療
  • 宇都宮病院事件→精神保健法制定(昭和62年)
  • 「何よりも必要なことは、精神の病を過剰な意味づけから解放して、「普通の病気」にすること」→「犯罪を行った精神障害者も裁判を受けることができる仕組みをつくるべき」(215頁)