涼宮ハルヒの憂鬱について



 エヴァから11年(中途半端だな)。ひさしぶりにおもしろい連続アニメーションに出会いました。 YouTubeを利用して、先週から見始めました。いろいろgoogle検索しないで、とりあえず最初から観始めるといいです。それにしてもYouTubeを見ていて驚いたのは、英語のサブタイトルがものすごいスピードで付いていくところ。アニメファンの情熱はすごいなあ、とただただ感心しました。これで全世界同時多発的に「ハルヒ」に熱狂するアニメファンが増殖して、結果的に商売繁盛するわけでしょう。すごいよなあ。


 「ハルヒ」は、一見「エヴァ」以降の「セカイ系」アニメかな、と思いました。主人公のハルヒは、もろ惣流アスカラングレーで、狂言役の男子は加持+シンジで、他にも綾波レイをまんまトレースしたようなキャラがいたりして、そういうところはアニメ業界のえげつないマーケティングを感じるんですけど、おもしろいところは、メタメタになっているところ。 メタメタって、具体的には、このストーリーじたいが「物語」に対する批評になっているのです。メタフィクショナルな傾向ってのは、SFというジャンルの起源にまで遡って、それって、神学に対する哲学の有り様と似たような構造になっているのかなーなんてぼんやりと思ったりもするのだけれど、しかしまあ、なんだ、全体的に筒井康隆みたいなアニメのような気もする。アニメ画が苦手な方はアレでしょうけど、記号と思って見ていれば楽しめるんじゃないかなあ。どうだろうか。


 こうやって「語りたい欲望」を起動させられてしまったら、作り手の思う壺に嵌った、ということなのかな、とつくづく思ったり。アニメ好きでもないわたしが、ああだこうだ言いたくなるのが、エヴァ以来なのです。映画になったりしたら、観にいっちゃうのかなあ。ちょっと恥ずかしいけど...。