映画美学校/音楽美学講座/クリティック&ヒストリーコース/第7回講義@京橋・映画美学校

講師:湯浅学岸野雄一

  • 三つ子の魂百までも
    • 湯浅氏履歴:1957年(昭和32年)1月4日生まれ
    • 自分が生まれる前/物心つく前でも何かおぼろげなものに囲まれており、その時点で何かしら取捨選択(好き嫌い)があったはず
    • 音楽批評:音楽に感応していくことを記す...音楽を言葉で伝えていくこと、音楽を演奏することの接点を探る
    • 自分の嗜好性の変遷を辿ることが大切
  • 意思を持ってなぜ自分のお金でで音楽を買うのか
    • 好みを固めたい
    • 再生装置で音楽を聴ける
    • モノを手に入れたことによる達成感
  • GS(グループサウンズ)について
    • ビートルズローリング・ストーンズの影響を受けている
    • 1967〜1969 全盛期。'67年の暮れから'68年に掛けてがブームの絶頂期だった
    • 後の'80年代のバンドブームとは違う芸能界主導のブーム(職業作曲家が書いた曲をバンドが演奏し、録音・発売)
    • ジャズ喫茶のようなところへ出演したり、芸能界的仕切りのあるライブハウスへ出演した(ライブではオリジナル曲も演奏したが、ほとんどレコード化されなかった)
    • アルバムまで出せずシングルで消えていく泡沫的消費
  • 初めて自分のお金で買ったレコード:ザ・フォーク・クルセダーズ / 帰ってきたヨッパライ(東芝音楽工業から1967.12月に発売→買いに行ったら売っていなくて1ヶ月待って買った。1968.1月入手)
    • 小学5年生の時。テレビでも話題になったがラジオから火がついた。
    • ヒットによって、すでに解散していたフォークルは再結成し、1年間のプロとしての活動を行う。
    • 「帰ってきたヨッパライ」は『ハレンチ』という自主制作盤に収録されていた
    • フォークルの割り切れない楽しさ(身近な感じなのに凄く変なサウンド)に続くものが無かったので、その後2年くらいレコードを買わない(音楽がプラモデルやマンガと等しい娯楽として存在したから)
    • 洋楽はテレビで受容/お笑い:クレージーキャッツ笑点
    • GS:ゴールデンカップスモップス→不良が音楽をやっている感じ
  • 無意識/意識のせめぎあい
    • 1969.4月...中学校入学。深夜放送に目覚める/性に目覚める。『中村メイ子のロスト・バージン』
    • GARO』(青林堂)『COM』(虫プロ商事)/『プレイボーイ』(集英社)『平凡パンチ』(平凡出版)の時代
    • 米国の宇宙船アポロが月に行った
    • ロックは新しい音楽として称揚されていた。友達とシングルを貸し借りしており、お年玉でLPを買うくらい。
    • 宮谷和彦『ライク・ア・ローリング・ストーン』/ボブ・ディラン、PP&M『風に吹かれて』/サイモンとガーファンクル『明日に架ける橋』
    • ♪エルトン・ジョン/人生の壁(Border Song・ピアノロック)
    • 1970...中学2年生。ビートルズ解散。「Let It Be」流行(「かっこわるいピアノロックだ」と思っていた)
    • ビートルズ/You Know My Name(「Let It Be」のB面。1967年作曲。サックス:ブライアン・ジョーンズ
      • ユーモアと狂気、コラージュ的なサウンドなどフォークル「帰ってきたヨッパライ」と共通した
      • 「影の方が表かもしれない」と考え出し、自覚的に物を選ぶことがとめどなくなった
      • 「Yesterday」や「Let It Be」を「You Know My Name」が支えている
    • 1971.4月...中学3年生。深夜放送リスナーが広がる。レコードの貸し借り頻度上昇。
      • 深夜放送のゴールデンタイムは午前1時からだったが、前倒し前倒しを重ねて午後9時からラジオを聴くような生活
      • ジャズやフォークを多く聴くようになる。加藤和彦がDJをやっていた番組をきっかけに、岡林信康はっぴいえんど早川義夫、ジャックスを知るようになる
  • 世間のエポック/個人のエポック
  • 邪険にされること/もてなされることの同居