映画美学校/音楽美学講座/特別講義:声とリズムのワークショップ@京橋・映画美学校



講師:横川理彦、福岡ユタカ


受講者全員でケチャポリリズムホーメイを実際に演奏してみる試みがメイン。面白かったなあ。座学もいいけれど、実際にからだを使うと単純に気持ち良くなったり、楽しかったりするもので、そういう感覚を日常の中に繰り込んでいくとよりヘルシーになれるかなあと思った。コブラのワークショップの時も同じようなことを書いた気がする。

トランス系音楽には、ワンパタンを延々繰り返していくもの(例:日本の花祭りの音楽)やどんどん変化していくもの(例:ドイツ人ウォルター・シュピースが1920年代にバリ島のサンギアンを再構成したケチャ)に大別できるだとか、クラブの音響はレゲエのサウンドシステムに由来しており、低周波は直接内臓に影響を与えるので、からだに悪いとか、モロッコのグナワ(民族音楽)に見られるような金属系の高音は、高次倍音を多く含んでおり脳からα波を出しやすくする(結果的にトランス状態に導かれる)というようなエピソードもたいへん面白かった。

ドラッグの助けを借りてトランスするという側面が ダンス音楽には常にある訳で、民族音楽におけるトランスもドラッグと無関係ではないけれど、面白さから言ったら、リズムの複層性や人間のからだや実際に演奏される楽器が発する音が導くトランスのほうが奥深いのだ。脳内で起っていることはあまり変わらないのかもしれないけど、トランスに至るプロセスが肝要なのではないかと感じた。