ヘンリー・ダーガー展@品川・原美術館



殺戮と破壊の印象が強い彼の作品のうち、「楽園」をコンセプトに集めて展示されている。各々の作品に宿るエネルギーは強く感じたものの、たいして感銘は受けなかった。彼は作品を絵物語として制作したので、作品のバックグラウンドとして物語の粗筋について解説があっても良いのでは、と思った。原美術館の展示の仕方は明らかにダーガーを「絵画」の文脈に載せることにフォーカスしていて、偏りを感じた。「雷」や「嵐」というモチーフが繰り返し描かれていて、遠近法無視と、雑誌類からトレースされた日本マンガのような少女たちが、何度も描かれるのが特徴的でわりと面白かった。