映画美学校/音楽美学講座/クリティック&ヒストリーコース/第21回講義@京橋・映画美学校



講師:大谷能生岸野雄一
本日のテーマ:2001年〜現在の音楽

  • 音楽を考える:下記はそれぞれ関連しているが、分けて考えたほうがよい
    • 音楽...楽曲作品/芸術作品としての音楽(モダニズムのアートとしての音楽)・・・流派/スタイル/音楽家
    • メディア(流通)・・・社会学的領域
    • 観客(リスニング/リスナー)・・・聴取の問題
    • 批評(言説)・・・ことばの問題
    • 他ジャンルの表現・・・漫画、映画、ゲーム、芝居
    • 音楽の前提・・・文化(総体)、政治体制、生活、経済


  • 20世紀ポップスの代表的なソングフォーム:8ビート(ビートミュージック)
  • Aerosmith / Draw the line
  • ♪Red Zeppelin / Bonzo's Montreux
  • Captain Beefheart / Veteran's Day Poppy
    • リズムの揺れ→前半が早く、後半が遅い(現在は16ビートでカウントできるリズム)


  • Shaggs・・・全員ズレたまま演奏し続ける(歌/ギター/ドラムス)
  • ♪Residents・・・ファシズムとしての8ビート
  • This Heat / Horizontal Hold
  • ♪sim / 6:4:6
  • ♪sim / sis
    • ビートの細分化/基礎単位のキープ力/ズレ力/ループの理解


  • エグベルト・ジスモンチ・・・TR-808を使用して、個人的な感覚を表現
  • ♪エトロン・フー(Etron Fou)
  • ♪フェルディナン&ディプロメイツ
  • ♪ウンペルティポ
    • 「うりゃ」という感じや「あうん」をコンピュータで表現できたら面白い
    • 8ビートを共有できるという幻想が50年ほど続いた



  • 流通/メディア・・・ネット配信
    • 経路:デジタルデータ→NTT回線→ISP→PC→iPodなどの携帯音楽端末
    • 卸の消失/但し、双方向性は事実上規制されている(企業が賽を握っている)
    • 企業はデータ、金、個人情報を持っているので、個人より有利
    • メディアにおける見えないデータのやりとりが増加


  • なぜ音楽を聴くか・・・ほかにも聴く人がいるから→ポピュラリティの起源
    • 阿久悠作詞「UFO」を共有できなくなるのではないか



  • リスナー/音楽消費者/リスニング(聴取方法)
    • 音楽を金で買うようになったのはこの50〜100年
    • 「地域」が「音楽」から失われた
    • 音を出す場・状況を含めて音楽
    • ポップスの現場から生まれた音響派
    • マニフェスト・思想をベースにして生まれたジョン・ケージの音楽(現代音楽)



  • ♪杉本拓、ケビン・ドラム / Duo(1998年、ギターデュオ)


  • 音の探求
    • 音から演奏者を切り離す
    • 構造/時間軸を放逐
    • テクニックを捨てる



  • sonority...音のtexture感




    • 録音・再生技術→デジタルシステムエラーを録音して作品にする(Oval)
    • CDは「データ」を聴いているということ
    • Ovalと比べると、池田亮司はクラシック(構築系)
    • 「楽曲」という概念に対するアンチテーゼ/疑念