萱野稔人 / 権力の読みかた (青土社)

権力の読みかた―状況と理論


町山智浩ポッドキャストで知って興味を持っていた米軍のアウトソーシング(というか、軍隊の民営化)について平易に書いてある。そして、軍隊を外注することによって、米国政府がより大きな権力を手に入れられるようになったことが分る。構造的には、小泉政権による郵政民営化も同一であるとか、フランスの移民暴動を取り上げて、権力が「不法移民」をいかに安価で切りやすい労働力として利用しているかも詳らかにしている。ナショナリズムが誤読されがちな文脈についての解説など、たいへんワクワクして読めて楽しい。ミシェル・フーコーの解説書的趣きもあるので、彼に興味があるかたもどうぞ。