野宮真貴 / ドレスコード

DRESS CODE

サウンドがやや軽くて物足りない(2004年発表)。戦時下のエレガンスがテーマらしいのであえて軽いんだろうけど、ゲストもいろいろで散漫な印象を与える(ここまで書いてこの作品がアルバムではなくミニアルバムであることに気付いた。お披露目パーティーにケチをつける野暮天ですみませぬ)。今年(2008年)の野宮リサイタルを観たので、やはり野宮真貴×菊地成孔でいまひとつ濃厚で官能な音楽をレコードしてほしいけど、微妙に機が逸された気もしている。野宮リサイタルは商品(DVD)化されると良い気もするけれど、されない気もするし、されないほうがナイスな気もするし、思わず心がアンビバアンビバしてしまう。というのはこの作品の感想ではないですな。菊地成孔作詞の「Elegance Under War」は菊地独特のジレッタンティズムというよりはむしろ色男ぶり(軽薄さとマメさのミクスチャー)が、女性のたくましい一人称を通じて感じられる一曲。菊地さんの作詞家としての魅力は語るに値するセンスに溢れているなあとしばしば思う。アーまたやってしまった野暮天コメント。これにて失礼。あ、クレイジーケンバンドm-floが参加した「Cosmic Night Show」は「Elegance Under War」と対になったようなゴージャスネスとユーモアを(以下延々と続く終わらない語りのためフェイド・アウト)。