カウボーイ・ビバップ

COWBOY BEBOP DVD-BOX (アンコールプレス版)


ハードボイルドのベタな設定として登場人物にはみな“過去”があり、それを隠して都会に集まり、群像っぽくあったりなかったりする、だいたいちんまりとした煤けて不器用な芝居をするのさ。主要登場人物のうち誰か一人か二人が死んだらそれを契機に残されたメンバーはお互いのわだかまりが一瞬溶けたような気がするが、やっぱりダメだった気のせいだそうさおれたち永遠に理解し合えないのさ嗚呼おれたちハートが“かたゆで”だから血も涙もないバイオレンス!ガンズ・アンド・ナイブス!!アバヨばいばいサヨナラアディオスカウンターに残る飲みかけのバーボングラスロックそして紫煙に飛び散る血痕…というような展開を予想していたが、そこまでハードボイルドでもなく、ハードボイルド風というところか。エドというキャラクターがわたしにとっては邪魔でした。彼女が物語の救いにもなってるんだけど、もっと殺伐としていてもいいかな、って何度か思ってしまった。いちばん気に入ったエピソードは「道化師の鎮魂歌(レクイエム)」だ。むろん「ザ・リアル・フォークブルース」は良くできてるなと感心した。ちょうど10年位前にはまっていた友人が何人かいたのが懐かしく思い起こされる。音楽については管野よう子の職人ぶりに驚愕した。アニメを知らないとこういうことで驚けるのだ。むろん名前はずっと知ってるけど。ただ高揚はするけど感激はしない音楽だね。すくなくともわたしにとっては。