アラサー&アラフォーの思想



 アラサーとかアラフォーとか胡乱な感嘆詞みたいなことばが流行っているようだから、アラミドサー(アラウンド・ミドル・サーティーズの略/日本語:35歳前後)とかアラミドフォー(説明省略)なんてのはどうだ、言って流行らせてみようかと思ったけれど、むつかしそうだ。"アラミドサー"じゃ女性は嫌がるんじゃないか。なぜかというとミドルだと露骨に"半ば"って感じだから。"35歳前後"って日本語の表現は、ちょっとはっきりしすぎている。医療関係の書籍でも読んでいるような気持ちになる。
 広義のアラフォーであれば、35-45歳くらいまで突っ込めそうだし、英語を用いた略語で語感の強さが薄れて・・・。いやいやなかなか上手いな。Around の語感からだと、37歳−42,3歳くらいまでが狭義のアラフォーかなって気もするけど。アラトゥエニ(20歳前後)っていうのは言いにくいなあ。だからきっと誰かが言っても定着しないだろうな。やらはた、ということばがあるけど、20歳前後だとそれほど細分化して語る必要がないのかも。


 英語では20代だったら、トェンティーズ(twenties)って言うし、10代だったらティーネージャー(teenager)で。30代も40代もサーティーズ(thirties)、フォーティーズ(forties)だから、いままではおおむね30-39,40-49というスパンで年齢層を取り扱っていたわけだ。これはおよそ1ディケイド(10年)でひとくくりにする"世代"だけど、「アラサー」「アラフォー」はそれをおよそ2等分〜2.5等分くらいにしているんだよね。結局、消費者をどれくらい細分化してマーケットにできるか、といういかにも(化粧品業界とか服飾業界とかそのあたりと結託しているメディアの象徴としての)広告代理店的な思想に裏打ちされたキーワードだなとしみじみ。話の種にはいいですけど、これに踊らされるばかりではあほらしいので気をつけよう(笑)。 いや、踊ったほうが景気回復になるから、むしろ踊りまくったほうがいいのかな。


 年齢に対する価値観はおもしろくなるといいなあと思うのだけど、あんまりバリエーションがないような気がする。というのも重要なファクターは生病老死だから、その間を細分化していくくらいしかほかにないのだ。いずれにしても加齢は避けられないから(人は生まれたら必ず死ぬので)、男女不問に健康信仰は続いていくんだろうけど。つまりあらまあアラサー?とか言っている暇があったら、足腰鍛えておけってことかもしれない。消費は適当でOKだろう。たぶん。