Ustreamの問題点



Ustreamの問題点として第一に挙げられるのは著作権である。例えば宇川直宏氏によるdommuneの放送はJASRACのライセンスを受けている為、合法的にJASRACが管理する曲をリアルタイム配信できるが、その他の多くの放送はいわゆる海賊放送である。現行法規で規制できない問題がインターネットサービスには多数見受けられるが、Ustreamもその例に漏れないのである。


第二に挙げれば、いわゆる現場感の希薄化がある。あらゆる表現がリアルタイムで―ネット環境さえあれば―簡単に受容されるようになると、相対的に「その場に行って体験する」ことの価値が低下する、という言説はすでに陳腐化しているが、「とりあえず、何となく、触れて話のタネにしよう」というようなイージーな価値観が支配的になるのは避けられない。世界的に経済不況が続き、とくに若年層の低所得化が進行するとこれを大いに後押しするに違いない。


(400字)