2006-01-08から1日間の記事一覧

那須正幹 / お江戸の百太郎 乙松、宙に舞う (岩崎書店)

『お江戸の百太郎』シリーズ完結篇。百太郎の奉公や千次の再婚等、未来が暗示されて終わる。

吉田修一 / 東京湾景 (新潮社)

わりと前半で、出会った男女がセックスしたので、精神的なつながりが主題なのだろうと見当がついてしまった。主人公の男はよほどの美男子の設定でないと苦しい展開だ。入れ子式に登場する劇中劇『東京湾景』によって作者の恋愛小説に対する倦怠感が表現され…

内田樹、春日武彦 / 健全な肉体に狂気は宿る (角川Oneテーマ21)

生きていくことを考える上で、時間というファクターを忘れがちだ、という指摘には頷かされた。また「過去」に拘泥して苦しむ人間が増えているが、「過去」概念は文脈依存的なので、新しい経験/体験をして「過去」の意味を書き換えることが出来る、という言説…