RAMPO

 最近、寝る前に「江戸川乱歩傑作選」新潮文庫)を読んでいる。今日は午前3時半から(苦笑)「人間椅子」を読んだ。椅子の中に入って(!)、椅子に座る女性と触れ合う快感に目覚めてしまった(笑)醜い容貌の家具職人の告白が手紙形式で書かれているのだが、その変態ゆえの童貞ピュアなラブが乱歩の手によって丁寧に書き連ねてあって、まったく今読んでも古びない調子に驚く(といっても原文は旧仮名遣いだから、それを読むと印象は違うのだろうが)。こんな作品を大正時代に書いちゃった、乱歩はやっぱりエライ!この作品は
「D坂の殺人事件」(要はSMプレイが昂じて隣の奥さん殺しちゃった、というヘンタイモノ)なんかよりもずっと品があって(?)良いなあ。深夜、ひとり布団に寝転びながら読むのには、実にふさわしい作品だ。


 結局4時ごろ寝て、10時に起床。部屋でぼやーっとしていると、あっという間に午後になり、床屋へ行く。散髪してすっきり。さわやか青年風(苦笑)。髪型はさわやか青年風だが、中身はそうでもないのだ。で、行くかどうか迷ったのだが、結局、古本屋に行く。ぼくが近所で行く古本屋は二軒あって、そのどちらも今住んでいる家からは3キロほどあるのだが、そのどちらに行くにせよ雑木林の間を縫って歩くことを余儀なくされる立地条件にある。雑木林といえば、もちろん多種多様なゴミが廃棄されていることを忘れてはならない。今日もいろいろなものを見た。使用済みと思われるコンドーム(あんまり見たくなかったので、眼の端で確認した感じ・この寒いのに野外プレイに興じる男女がいるのだろうか・笑)、妊娠検査薬の空箱、雨風で色が飛びまくり、もはや何が書いてあるのか判読不可能な雑誌の類、家庭ゴミと思われるビニル袋数個(ゴミ出しに間に合わず、捨てていったのだろうか)などなど多数。やはりゴミは大きな道の脇に多く、不思議なことにゴミ捨てを禁じる看板の前が特に目立つ。これ見よがしに捨てていく輩がいるのだろう。まあ、そんなゴミたちを横目で見やりつつ、古本屋へと向かった。


 久しぶりに赴いた店の中には、バルコニーのような、中二階(?)が増築されていた。そんなに景気が良いのだろうか。この店はいわゆる郊外型の大型新古書店で、商品の値付けもかなり大雑把だ。とりわけ絶版マンガに付けている値段が異様に高い。てんコミの「忍者ハットリくん」が1冊1500円って…ねえ(苦笑)。誰が買うの?でも増築するくらいだから、儲かっているのだろう。とりあえず目当ての江戸川乱歩を探す。講談社から出ていた全集は1冊1500円(!)、角川文庫ですら、1冊500円。高いねえ。阿漕だねえ。絶版になったら、なんでも高値付ければいいと思ってんだなあ。狡いよー春陽文庫版にすらプレミア付けてるし(苦笑)。


 乱歩作品をコンプリートするなら、春陽文庫を集めるべきなのだが、そんなつもりもないし、明智小五郎と小林少年が出てる作品(ミーハー・笑)で手頃なものがいい。ということで「吸血鬼」(創元推理文庫)を購入。他の収穫は、中村とうよう監修「ヴィヴァ!ボサノーヴァ」(ミュージック・マガジン)、CDで鈴木慶一「SUZUKI白書」(なぜかサンプル盤)と「一柳慧作品集Ⅱ」。CDの感想は近日中に改めて書くつもりだが、「SUZUKI白書」が予想以上に素晴らしかったことは記しておこう。他にはハイポジコモエスタ八重樫選曲のレディメイドコンピ(エイプリル・フールの「Jazz Rock」収録)も目に付いたのだが、手持ちも無かったので即帰宅(徒歩で30分かかる・笑)。


 夕食後、「えなりかずきの少年探偵・事件でござる2」(CX)を少し見る。ううーん、ちょっとキャラが生真面目過ぎないか…えなりありきのドラマということは見てりゃ分かるが…。そしてなんともいえない教訓臭い感じ…。ていうか、殺人事件っていう感じがあまりしない。えなりな香りでいっぱいに
満たされたドラマ。あー役名の小林は少年探偵団からでしょうか。なんとも制作スタッフの年を感じさせるテイスト。小林少年のアイドル役の今江千佳は、良いなあ。好みだなあ(苦笑)。こういうタイプの顔にとても弱いです…。でも演技がふつうに下手で萎えました。セリフ棒読み(笑)。あと、濱田マリって今役者やってるの?なんてこともどうでもいいくらいに、とにかくえなりでした。えなりかずきって演歌歌手みたいだな。細く長く活躍しそうな感じ。彼は子役からスタートした中では成功したごく少ない勝ち組(この言葉凄く嫌いだけど)なんでしょう。ああ、そんなことはどうでもいいけど、えなりの垂れマユがまぶたの奥に焼きついて離れないよ!!(笑)。つくづくヘンなドラマを観てしまいました…。っていうか、えなりの笑顔が凄いんだよな(笑)。