スパンクハッピーの「麻酔」について

 今日は、昨年の9月に発売された新生スパンク・ハッピーのメジャーデビューアルバム『コンピュータ・ハウス・オブ・モード』から、収録曲「麻酔」をとりあげます。スパンクスファンにはライブでもおなじみ岩澤瞳による美しいバラッドです。かつてライブでは後半は菊地成孔がメロディーを歌っていましたが、アルバムではサックスソロの間奏にほぼ差しかえられています。岩澤瞳の主唱曲といって差し支えないでしょう。


 「麻酔」に関しては、菊地さんも2月1日の「菊地成孔speaks!」でネタばらしをされていたのですが(聞き手の村井康司さんの指摘による)この「麻酔」のメロディーの骨子となっているのは、ビング・クロスビーによる歌唱で有名な、コール・ポーター作曲「Just One of Those Things」のコード進行です。こちらのサイトの「Just One of Those Things」Midi2をダウンロードして聴いてみて下さい。よく聴くとメロディーが「麻酔」と
似ていることに気づくと思います。(情報元:音楽観察者的BBS)この曲の制作過程についてざっくばらんなトークが繰り広げられたのですが、とりあえず詳述は避けることにします(笑)。問題あるかもしれないので(苦笑)。


 ポップ・ミュージックは、パクリで発展してきた音楽です。パクリというと聞えが悪いですが、要は人力サンプリング、引用とでも言えば良いでしょうか。古くは、ビーチ・ボーイズが、チャック・ベリー「Sweet Little Sixteen」を引用して「Surfin' USA」を作りました。(これはビーチボーイズの方が洗練されていてずっとかっこいいと思うのですが、チャック・ベリーはきっと嫉妬したのでしょう・笑・裁判で勝訴し、現在はチャック・ベリー名義になっている模様)。曲レベルではなく、フレーズレベルまで下がると枚挙にいとまがありませんので、やめておくとしても、音楽を聴けば聴くほどギターの簡単なリフ
(反復する短いフレーズ)から、ドラムのオカズ、ベースライン、メロディーライン、コード進行でおいしい共通点がみつかり、音楽ファンとしてはそんなささいなことに一喜一憂するのです。パクリか引用かというのもまた難しい問題です。個人によってその基準もずいぶん異なることでしょう(法律的な基準はさておき)。その点についてはみなさんこのスレッドをご覧になって考えてみてください。それではまた明日。