みらいを笊で掬う音楽

まろんさん、行ってきました、東京JAZZ2002。於東京スタジアム飛田給駅から徒歩5分。


1.UNITED FUTURE ORGANIZATION (Opening DJ)



パーソネル:矢部 直 (DJ)



会場近くのラーメン屋で食事をしていた為、聴けず。



2.NILS PETTER MOLVAER (グループ)



パーソネル

NILS PETTER MOLVAER (Trumpet)

EIVIND AARSET (Electric Guitar)

RAYMOND C PELLICER (DJ)

PAAL‘STRANGE FRUIT’NYHUS (DJ)

AUDNN ERLIEN (Bass)

RUNE ARNESEN (Drums)



いわゆるクラブ・ジャズというやつで、ブレイクビーツに内省的なトランペット(NILSは完全にマイルズ直系の奏者・ていうか影響受けすぎでつまんない)のフレーズが、延々と乗っていく。ギタリストがルックスからいって弾きまくりそうだな、と思ったが、ずっとエフェクターをいじっていて、好印象。ドラマーは顔が、アトム・ハートに似ていた。正直、まっ昼間から、しかも、野外でクラブ・ジャズは辛い。場内は飲酒喫煙一切禁止。


3.小林 桂 + スーパークインテット



パーソネル

小林 桂 (Vocal)

石井 彰 (Piano)

松島 啓之 (Trumpet)

安保 徹 (Tenor Sax)

安ヵ川 大樹 (Wood Bass)

広瀬 潤次 (Drums)



まあまっとうなジャズなんだが、小林桂という男を見たら、一目で嫌いになった(苦笑)。生理的にダメなタイプ。ちびで、きざたらしく、MCの声が妙に高くくだらない曲解説をし、発声はあまりよくなく、極めつけは唄うときの顔が醜いこと(苦笑)。スキャットでサックスの奏法を真似していたけど、それは上手だった。「FLY ME TO THE MOON」や「JUST IN TIME」などのスタンダードのありきたりの演奏だけでは、刺激が足りない。


3.BUENA VISTA SOCIAL CLUB PRESENTS OMARA PORTUONDO



パーソネル
OMARA PORTUONDO (Lead Singer)

ROLANDO BARO (Piano)

FABIAN GARCIA (D.B, マラカス, Backing Vocal)

PAPI OVIEDO (Tres)

CARLOS VALDES (ティンバレス)

EL PEQUE (Congas)

JULIO GUERRA (Bongo)

ANTONIO SESMA (Trombone)

MIGUELITO VALDES (Trumpet)

ROBERTO GARCIA (Trumpet)

BABIN (Sax)

RAUL NACIANCENO (Sax)

FRANCISCO CATURLA (Trombopne, Conductor)

MIGUEL ANTUNA (Bariton Sax)

ROBERTO FONSECA (Guest; Macho Piano)



ベストアクト。まずオマラ・ポルトゥンドというボーカルのおばちゃん(72歳らしい。すげえ!)がもう凄く元気で、観ているこっちも踊り出したくなる感じ(結局立ちあがって踊りました)。ソン(マンボ)やダンソンなどでガリガリ盛り上げて、「トリステーザ」。うひょー!間髪入れずにバンドは引っ込んで、オマラがゲストのマッチョ・ピアノ、ロベルトを呼ぶ。この2人でやった「べサメ・ムーチョ」が、もう。もう。もう。なんというか、たまらん。もう、会場の空気がぴんと張り詰めた。はじめて感じたテンションにブルブルッ!!その後は、バンドが戻ってきて、至れり尽せり。もう、ことばでは言い尽くせない素晴らしいステージ。若いトランペッタ―がフリューゲルホルン持ち替えで吹いた短いソロが非常によかった。ラテンはいいなと
しみじみ。彼らの音楽力の強さを肌を通して感じた。


4.HERBIE HANCOCK (FUTURE 2 FUTURE)



パーソネル

HERBIE HANCOCK (Keyboards)

DARREL DIAZ (Keyboards)

WALLACE RONEY (Trumpet)

MATTHEW GARRISON (Electric Bass)

TERRI LYNE CARRINGTON (Drums)

DJ DISK (DJ)



「タンテキニイウト」(笑)プログレッシヴ・フュージョンとでもいおうか。いわゆるクラブ・ジャズに影響を受けて作られたサウンド。グルーヴはあるが、妙に閉じており、無機質な、というか、なんか超越的なエネルギー体のイメージ。そして果たしてDJがこのサウンドに必要なのか?という疑問。演奏中、10分ほど眠ってしまった。女性ドラマーがうまい。いい感じ。全体としては混沌としているが、無愛想なファンクチューンもあり、マッキントッシュから、チャカ・カーンのボーカルが流れれば、ブラコンになる。ハンコックは器用過ぎるんじゃないのか?結局、何を伝えたいのか、あまり伝わってこない。ちなみにこのグループのトランペットもマイルズ系で退屈(厳密にいえば、マイルズ直系なのだが、詳細は略)。


5.WAYNE SHORTER QUARTET



パーソネル

WAYNE SHORTER (Tenor Sax, Soprano Sax)

DANILO PEREZ (Piano)

JOHN PATITUCCI (Wood Bass)

BRIAN BLADE (Drums)



完全にフリースタイルで吹きまくるショーター。バックはかなり高度でモダンなサウンド。ショーターのサックスはやはりソフトでテンダーで気持ちよいのだが、気持ちよくなりすぎて、やはり演奏中に10分ほど眠ってしまった。ほとんどノンストップのステージ。曲間が無くて、ハンコックのステージ同様、一部観客は拍手をするのに困った。ベーシストがカッコよかった。ドラマーがノリノリ。


6.SUPER UNIT -MEET the FUTURE-



パーソネル

HERBIE HANCOCK (Conductor)

WALLACE RONEY (Trumpet)

MATTHEW GARRISON (Bass)

MICHAEL BRECKER(SPECIAL GUEST;Tenor Sax, Wind Syn.)

TERRI LYNE CARRINGTON (Drums)

寺井尚子(Violin)

and more musicians



ブレイクビーツに乗っけるインプロ大会ではじまり、ハンコックが「今のはイントロダクションだぜ」とMCし、ジャム的な演奏がはじまる。ここでもおもしろかったのは4つ打ちビートからオマラ・バンドのゲストピアニスト、ロベルトと、オマラのパーカッション隊がラテン風に曲を変えていったところ。その後の、マイケル・ブレッカーのグルーヴするサックスが一服の清涼剤。ショーターは所在無さげに、ソプラノを携え、ハンコックは忙しくステージを歩き回りソロ楽器が出るところでは、全体音を押さえろ、等ジェスチャーで指示したり。実際はかなりPAのほうでも音をいじっていたのではないか、と思われるようなサウンド。でも一番驚いたのが、最後の花火ってのはなんだかな。音楽でもっと驚きたかったよ。まあ、悪くなかったけど。

お誘い下さったHIKBさん、ありがとうございました。ダーティー・ダズン・ブラスバンドの『メディティド・マジック』を聴きながら、午前零時過ぎ、帰宅。