Classical Music Strikes Back

発泡酒を飲みつつスタニスラフ・ブーニンの'85年の
ショパン・コンクールのライブ盤を聴く。凄い。


ショパンは生涯にピアノ・コンチェルトを2曲残している。出版の関係で
1番と銘打たれた協奏曲は、実は2番目に書かれたものだ。その第1楽章は
1830年、彼がポーランドを去る前に出来あがった。そのせいもあってか、
非常にメランコリックな色合いが強く華麗で、技巧的にも、かなり高度だ
(ピアノをかじった経験があり、少しでもショパンを弾いたことがある
ひとなら分かる、と思う)。それを、とんでもない表現力でブーニン
弾くのだ。スピード感(グルーヴ!)から憂鬱な空気が決して離反しない。
打鍵の速度がいくら早くても、曲の雰囲気がしっかりと保たれているのだ。
しろうとであれば、指定速度が速い楽曲は、譜面を追うので精一杯で、
繰り返し繰り返し練習しても、なかなかアーティキュレーション(簡単に
いえばフレーズ毎の強弱・でいいのかな)に気を配るに至らないのだが、
ブーニンはまるで舌を噛みそうな速さでピアノ語を操りながら、アクセントも
発音もきちんとしているという感じ。うっとりしながらも、ぼくはCDを
聴きながら飽きれてしまった。それにしてもショパンラフマニノフへの
影響は大きいものがあるなあ、と思いつつ。


その後、スタン・ゲッツジョアン・ジルベルトの『ゲッツ/ジルベルト』
聴く。近所の古本屋で380円で投売りしていたので買ってきたのだ。前、
行ったときは、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『暴動』が500円で
置いてあった。で、ゲッツのサックスの奏法はとてもソフト。あまりに
ソフトでしばしば笑ってしまうくらい。でも、名盤だよな、と思いつつ、
ビング・クロスビーにディスクを換えて、発泡酒をぐびぐびぐび。煙草を
減らすようになってからというもの、酒を飲んでからでないと寝る前に
妙に目が冴えてしまって、眠れなくなった。しかも腹が速攻でたぷたぷに
なってきてしまった。非常にいかんなあ、と思いつつ、毎晩飲んでいるのだ。