The Sun Shines Once In A While

夕刻より高円寺マーブルトロンのオフィスで、11月イベント打ち合わせ。簡単な確認をしてから、書類にサインし、判を突く。で、端的に云うと、フライヤに、ダメだしを頂いた。関係各位に連絡し、ご無理をいって、山下スキルさんに再度デザイン案をお願いする。そんなこんなも相俟って、最悪に荒廃した重たいハート(苦笑)を抱えながら、ふらふらと駅前の中古レコード屋に寄って、3枚で600円レコードを購入。


最近のとっても駄目で痛い日常に合わせた(苦笑)3枚。すなわち、ジューシー・フルーツ『Drink !』('80、日本コロムビア)、飯島真理『ロゼ』('83、ビクター音楽産業)、大貫妙子シニフィエ』('83、RVC)。今30代の方が見たら、思わず苦笑してしまいそうな日本のキッチュなエイティーズ。みんなが思わずトンガってたり、ビックリしたり、ビョーキしてた時代。'80年生まれのぼくにとってはそんな軽薄で多幸なイメージに彩られた'80年代は完全に幻想世界で、憧れはしないけれど、その時代に作られた音楽はなぜだかどうして好きなのだ。で、聴いた感想をつらつらと書いていきます。

近田‘考えるヒット’春夫先生の、ジューシー・フルーツは冗談キツイ感じ、特にボーカル。B面のラストに入っていた大貫妙子の「ピーター・ラビットとわたし」にそっくりな謎のインストが印象的。飯島真理はインナーの若き日の坂本龍一とのツー・ショットが意味深な雰囲気。っていうかふたりは
もう…(以下略)といった感じのアレで。サウンドは往年の教授が良かった頃(というと怒る人もいるんでしょうが)、なんだっけシンクラヴィアとかだっけ、良くわかんないけど、\『音楽図鑑』の頃の、教授の音っていうかな、最近まったく彼の作品を聴いていないんで、もうそこらへんもあやふや
ですが、まあ、とにかく音はいい。ただね、ボーカルが…(笑)ちょっとしらふで聴いていると恥ずかしい感じで、そこらへんも最近の痛い感じにぴったり合うのだが(苦笑)、これはこれでなかなか良い作品だと思います。お気に入りはA面2曲目の「まりン」。当時の飯島真理のあだ名が「まりン」でなかったことを願うばかりです。で、最後に今も昔も清楚かつ凛とした、ボーカルをひびかせている大貫妙子の『シニフィエ』ですが、ま、これは傑作といっても過言ではないレコードで、中谷美紀がカバーした「夏に恋する女たち」なんかも収録されてます。やはりピコピコサウンドの中にあっても、決して消えない存在感というか、やはりこの人は声ありきなのだなあ、と思わせる歌なのです。云うまでも無いことかもしれないけど。先に出てきたアイドル飯島真理が砂糖菓子で、ピコピコジャアンピョロロな教授のシンセサウンドと、相乗効果していくキッチュなタイプなら、正統派歌手とでもいいましょうか。この清冽さは如何ともし難い。


というわけで、三段落ちではなくて、階段を上るような感じになってしまいましたが、ぼくもなんとか階段を上っていきたいなと思う今日この頃であります。それにしても傷だらけではある。主に蹴つまづいて、自分でこしらえた傷なんですけどね。むろんその詳細など書けるわけもないので、今晩はこのへんで。皆さん、おやすみなさい。せめて布団の中ではすてきな夢が見れますように。