立花隆 / 日本共産党の研究(1、講談社文庫)



2巻を先に読んでおりました。
第1巻では戦前の共産党の興亡を描いており、共産党の指導者たるインテリ層が日本の伝統的なインテリ像から逃れられず、
理想と現実を混同し、また彼らの多くは特高の拷問に弱く、つぎつぎと(一応)地下組織の秘密を白状してしまい
組織が壊滅し、何度も何度も組織の建て直しを計るけれども、特高組織力を高めて弾圧し、その繰り返しばかりに
なんだか奇妙にサスペンドされる読み心地なのである。
共産主義は民主主義の最たるものという言説があるが、むしろ全体主義的であるのではないかという論説も興味深く読んだ。