永井荷風 / 墨東綺譚 (岩波文庫)



昭和12年(1937年)の作。文章がとても読みやすく、簡潔でうつくしい。
舞台は昭和初期と思われ、明治時代に育った老人が、大正生まれ=若者にはついていけん、嫌悪嫌悪を
感じつつ、ちと気分で恋愛遊戯(要は買春なんだが、妙に品がいいのだ)に耽り、己が老いに思いを馳せたりする話。