4-1 「法界悋気」が渦巻く筆者(104-105)



筆者は「ああ、妬ましい。悔しい。どいつもこいつもいちゃいちゃしやがって。爆弾でも投げてやろうか」「こんなに女にもてなくて振られてばっかりいるんなら、なんで苦労してあんなに勉強したんだ」と自棄を起こし、「私の中にぐるぐると」「自分とは直接関係ないのに嫉妬する」「法界悋気」、あるいは「ルサンチマン」(「嫉妬というより「怨恨」とか「恨み」の感情」)が「渦を巻いている」と告白する。そして「ルサンチマン」を唱えたニーチェを紹介し、それがキリスト教の評価へ影響を挙げたことを余談として述べながら、「私の体験で言うと、若いときにニーチェを読むと、自分が「弱者」ではないような気分になる」が「だんだんそうでないことに気づく」とする。