N響アワー
− 池辺晋一郎の音楽百科〜日本の音 西洋の音 −「河・叫ぶ」 池辺晋一郎・作曲
(指揮)外山 雄三「ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26から第3楽章」
プロコフィエフ作曲
(ピアノ)アレクサンドル・トラーゼ
(指揮)パーヴォ・ヤルヴィ「ウォーター・ドリーミング」 武満徹・作曲
(フルート)エミリー・バイノン
(指揮)ウラディーミル・アシュケナージ
教育テレビで「N響アワー」を観た。テーマは『池辺晋一郎の音楽百科〜日本の音 西洋の音』ということで、音楽の、リズム(拍子の存在・非存在=タイム感の差異)、メロディ(五音階と七音階)、ハーモニー(ヘテロフォニーと和声)に注目して日本音楽と西洋音楽との違いを見ていこうという試み。
まず、五音階(日本)と七音階(西洋)の違いに触れた後、津軽の民謡にインスパイアされたという池辺作曲「河・叫ぶ」が流れる。こいつがものすごくミニマルでしかも激しくてかっこいい。山の急斜面を流れる川のイメージがうまく表現されている。しかし、ふしぎな和声感覚だったなー。
そのあと、長唄「越後獅子」にインスパイアされたというプロコフィエフ作曲「ピアノ協奏曲3番」3楽章。「ああ、まあそんな感じもするね」という塩梅だが、巨漢アレクサンドル・トラーゼの叩きつけるような打鍵がおそろしくかっこいい(というか暴力的な印象さえ受けた)。ほとんどプログレていた。
つぎに、リズムの存在(拍、拍子の違いetc)について触れてから、武満徹「ウォーター・ドリーミング」を。バスフルート(と思われる)ソロのエミリー・バイノンの表現力の豊かさに驚く。しかしそれにしても延々と1曲ほぼソロが続くのだが、驚異的な肺活量(フルートは音を鳴らすだけでもなかなか大変な楽器です)。そして、体力。曲調は眠くなって、「東洋の神秘」「あやしの国ジパング」「生物界で起きる進化や退化、連続して起きる化学反応」みたいな印象。
最後に若き日の岩城宏之指揮、西村朗という作曲家の和太鼓とオーケストラのための曲が、とても官能的で良い感じだった。