エキゾティシズムの語り方



K エキゾティシズムやエロティシズムというのは、今、非常に使いにくいことばですね。バイアスがかかっているというか。とっても使いやすい時期というのもあったわけですけど。


I そうですね。20世紀のモダニズムを推進したエンジンとして、「他者性」の発見ということがあるわけです。「他者」の問題ですね。エキゾティシズムというのは、これは「他者」としての「場所」ですね。エロティシズム、これは「他者」としての「肉体」。この他に、「自意識」にたいする「他者」としての「無意識」というのがあるんですね。エキゾティシズムにしても、エロティシズムにしても、日常の中にある特殊な現実感を浮き上がらせる方法だと、言えると思うんですが。


K そうですね。そこにはメディアの問題というのもあると思います。ワールドスタンダードを目指そうとするアメリカの文化侵略というのがあってですね、ブエノスアイレスには「ウォルト・ディズニー専門館」という映画館がありまして、そこは今閉鎖されて1階がバーガーキングになっているんですが、南米におけるアメリカ文化の残滓ですね。その写真をアルバムのジャケットに使おうかとも思ったんですけど、許可が下りなかったですね(苦笑)。