北野武監督 / TAKESHIS'



 夢っぽい映画。ちょっと単純にトリュフォーの『アメリカの夜』を思い出した。京野ことみの脚が素敵だった。しっかし、おっぱいってのは触ると柔らかそうなもので、セクシーなのはやっぱり脚だな。おっぱいは、やはり隠しておいたほうがセクシーだ。女性の鎖骨が好きなので、大きなスクリーンで鎖骨も見れたのが、楽しかった。しかし、「セクシー」とは何か、とか、「笑い」と「差別」について考えてみたり。ああいう筋書きだと、色々思案する機会をもらえるので、喜怒哀楽を与えられるのとは、別の「楽しい」がある。能動的な、考える楽しさ。武は、ベネチアで評価されてから、欧州の方を向いている気がする。明らかに「批評」の「欲望」を「喚起」する作品だ。泣きたかったり、笑いたかったりする気分には不適当だろう。


 しかし、北野映画って、カップルで観に行くにはあんまり適さないと思うのだけど、映画館に足を運ぶたび、カップルを目にする。それにしても不思議だったのは、隣りに座っていた、若い男性+おばあちゃん+嫁(らしき中年婦人)+若い女の子(中学生くらいか)の組み合わせ。一家揃って、北野映画ファンなのだろうか。『TAKESHIS'』よりも、やはり現実の方がよっぽどふしぎだ、と思いながら帰ってきた。