菊地成孔とペペ・トルメント・アズカルール@天王洲アートスフィア



 ひじょうに感動した。


 キクペペは、今年に入ってすでに恵比寿、代官山、横浜で3回観ている。今回は全体的にテンポ遅めのアレンジで、各奏者の手数が多かった。ホールの音響は今までのハコに比べてかなりヌケが良く、わたしの席からはダブルベースの低音が多少歪んで聴こえたものの、アンサンブルが素晴らしかった。バンドの音楽が数々の演奏を経て、かなり錬られてきたということもあるだろう。特に「ルペ・ペレスの葬儀」でのバンドネオンの繊細で表現力豊かな調べ、そして、力強くしなやかにグルーブするベースには、強い感銘を受けた。


 来年二月にはすでに九段会館での公演が決まっている。アルバム『南米のエリザベス・テイラー』を購入された方で、まだコンサートに足を運ばれていない方は、ぜひこの機会を逃さず、音楽に浸って頂きたい。


 今年は計4回キクペペのライブを楽しんだ。今年始まったこのバンドの、音楽の深化を堪能することができてたいへん良かった。菊地成孔と彼らの音楽に深く感謝する次第である。