山本史也 / 神さまがくれた漢字たち (理論社よりみちパン!セ)

神さまがくれた漢字たち (よりみちパン!セ)


 著者の山本氏は白川静先生の弟子にあたるようです。漢字が元来持っていた呪術性について、そして、古代シナ人たちの文化や風俗について、きわめて丁寧にことばが運ばれています。
 が、しかし、漢字について現代人がわかっていること、これからわかりえることなど、ごく限られているのだ、という気分にもさせられる1冊。漢字に限らず文字は、古代においては、ごく限られた階級の所有物であって、彼らの血にまみれた歴史がそこにも刻まれているようです。というのは、ちょっとマルクス主義的な言説かもしれないですね。