菊地成孔とペペ・トルメント・アズカルール@九段会館



 会場の九段会館は昭和9(1934)年につくられたもので、独特の雰囲気を感じさせる。からだ(建物)は西洋風で、あたま(屋根)が城郭風。「もしかしてこれが和魂洋才ってことか?分かり易すぎる」と思いつつ入場。
 座席は1階席のPA卓に近い位置で、1曲目では音が割れていたけれども、そのうち良くなった。しかし、2階席が頭の上にせり出しているので、ステージからきこえてくる音が、どうもふだんと違う妙なあんばい。演奏はいつもよりリラックスした感じだけれど、相変わらずの活力に満ちた演奏で楽しめた。菊地さんのアンブシュアがいつもより浅めで、リードミスが何度かあったな。
 しかし、キクペペの音楽にいちばん合う会場は、今まで観に行った場所であれば、モーションブルー横浜のようなところだなあ、と思う。何か食べたり飲んだりできる場所でないと・・・ああ、ボールルームのための音楽なのだ。まあでも、そんな音楽を聴きつつ、食べることも飲むことも、踊ることもできない。これが同氏の意図する「拷問」なのかなーとも思うけれど、実は会場がいろんな都合でホールしか押さえられなかったのかもしれない、とも思う。
 平日ということもあってか、演奏時間は短め。ゲスト:内田也哉子の仏語は本式で、会場の雰囲気と調和がとれていた。