小岸昭 / 世俗宗教としてのナチズム (ちくま新書)

世俗宗教としてのナチズム (ちくま新書)


 ヒトラーレイシズムに影響を与えたディートリヒ・エッカルトを論じたり、文学青年ゲッベルスが、文学に挫折した後にナチズムに向かう過程が描かれている。また、オーバーザルツブルクという「場」が、ヒトラーに与えた精神的影響にも触れている。世俗宗教として論じるには、論考と随筆の合わさったような筆致が少々物足りない。