2006-02-27 那須正幹、前川かずお / ズッコケ山賊修業中 (ポプラ社文庫) 本 作中に登場する穴居生活の民「土ぐも族」は、記紀や風土記にも登場する反体制勢力(土蜘蛛)であり、能や歌舞伎の演目にもなっている。彼らは、天皇家の祖とされる天孫族の支配に対して抵抗した先住民であったらしい。その生き残りのコミュニティに、三人組が囚われて、脱出を試みる、というストーリー。 今読み返すと、副主人公的に登場した堀口青年の描写を通じて、那須正幹のリベラリスト=反体制/体制批判作家としての側面を、感じなくも無い。