Saturday Evening Post@三軒茶屋グレープフルーツムーン
サタデーは新メンバー、タカハシペチカ氏を迎えて初めてのライブ。ラップで緑の美しさを高らかと謳い上げる新曲「里山」や、あるAV監督の作家性を称える「Pine Tail Company」、ショーロの名曲「あの頃は」のカバーなどが印象的だった。結成当初の北欧憧憬なエレクトロニカ風味のサウンドから、あきらかに童謡性の高い稚気溢れるバンドサウンドに変わってきた。この点は大変好ましく思っているし、音楽もまた生き物だなあ、という感を身近にしている。
今回は大所帯だったことと、PAの不具合もあってか、音の響きがよくなかった点が、残念至極。バンドのアンサンブルはこのグループにとっては大変重要なポイントである。また、リーダーの齋藤は大勢の客を目の当たりにしてたいへん緊張していたようだ。無理に喋らなくて良いと思う。
前回の紙芝居をフィーチャーしたコンセプチュアルなライブの完成度が高かったぶん、比較してしまうと、今回の演奏の評価は下げざるを得ない。しかし、音楽は勝ち負けや、優劣の世界から離れることができるものだし、観客の多くもグッド・ヴァイヴを感じていたようだから、この雰囲気を保ちつつ、ぜひともサタデー・イブニング・グルーヴを高めてほしいな。と、思ったしだい。
今回のサタデーの構成メンバー