映画美学校/音楽美学講座/クリティック&ヒストリーコース/第6回講義@京橋・映画美学校
- レコーディング...音の記録
- 糸電話...糸の物理振動を利用して音声を伝える
- 1888年 エジソンの蓄音機発明
- ベルリナーのグラモフォン
- スピーカとマイクの原理は同じ
- Record Making with Duke Ellington (YouTube)...1937年当時最先端の録音技術。電気で音(空気の振動)を増幅してよりクリアな音が録音されるようになった。完全に電化されている。
- 1870s...シートミュージックの商業化
- 1910-20...ティンパンアリー(Tin Pan Alley)@ニューヨーク...マンハッタン28番通りの一角を表す地名。楽譜出版社が集中し繁栄した。100万枚(冊?譜面だ)=ミリオンセラーがこのおよそ10年間で100作以上出た。シートミュージックの隆盛期。ポピュラー・ミュージックに値段がつけられ、商品(モノ)として流通する過程が基礎付けられる。
- アル・ジョルソン(Al Jolson)、エディ・キャウンター
- 1900〜1930年間での米国の特徴
- 1. 移民の国(1920年1年間の移民40万人)
- 2. 都市労働者の発生と定着
- 3. ポピュラーミュージックが商品として用意される
- 4. うたの時間...シートミュージック
- 5. ポピュラーミュージックの消費
- cf. 1920sの日本...演歌師の存在
- シート・ミュージックとレコーディング
- 1. 目の前で演奏してくれる人が必要...演奏者の都合による(融通がきかない)
- 2. レコードの音が聞こえてくる状況(いつでもどこでも演奏OK...いつでも「祭」)
- 3. 音楽のリスニング・システム(聴取形式)は1940年頃までに完成
- ポピュラー・ミュージックの変遷
- 1. ポピュラーミュージックは誰にも出来たが、ポピュラーミュージックの分業化が進む(演奏者と観客/記録メディアの誕生)
- 2. 誰かが作った「ポピュラーミュージック」を届けてもらい(購入し)、消費する構造が発生(曲が生まれて、聞かれて、消えていく)
- 3. (上記より)「ポップス」というフィクションが生まれる(「Pops」という用語が定着するのは1950年代に入ってから)
- 4. レコードで音楽が流通する...生活がすぐ「非日常」になる
- ♪川上音二郎一座 / オッペケペー節 (ベルリナー録音/CD『甦るオッペケペー』より)
- 座長不在の録音。まず名乗ってから、芸を披露する形式。
- 当時の日本人(音二郎一座)が「録音」をどのくらいまで理解していたか、という問題
- 記録メディアとしてのレコード
- なぜ音楽に特化されたのか→録音物の構造を明確化させる為には、ただの言葉よりも音楽が良いという判断
- 78rpm(1分間に78回転)録音時間が最長4分くらい→このモノによりでソフト(音楽様式)が定められる(録音可能時間内に演奏を終えなければいけない)
- ダンス状況とその変遷(YouTube動画を元に解説→ダンスはどんどん緩くなった)
- 1910年代までの社交性の強い儀礼的なダンスから、ダンスはどんどん楽しむものになった。自分たちで音楽をかけて、踊って楽しむ文化へ。
- Bill Bojangles Robinson and Shirley Temple(1935)(YouTube)...映画『The Little Colonel』から、ビル・ロビンソンとシャーリー・テンプルのダンスシーン(ステップ主導/アクセント言語/シートミュージック)
- Bill Bojangles Robinson and Shirley Temple(1938)(YouTube)...映画『Rebecca of Sunnybrook Farm』から、ビル・ロビンソンとシャーリー・テンプルのダンスシーン
- 50s Charleston in Harlem(YouTube)...チャールストン(1950年代、ハーレム)
- Big Apple at The Savoy Ballroom(YouTube)...リンディ・ホッピング(スウィング時代、ニューヨーク)
- Swing Fever...演奏
- 「ポップス」の誕生
- ダンス文化/音楽産業の変遷、ハードの制約、米国という場所、黒人音楽と白人音楽の対立と相互影響
- ポピュラーミュージック(大衆音楽)が誰かに作り、与えられるという矛盾(「みんなのもの」という商品、誰かがわれわれを「われわれ」にしてくれる構造)
- 著作権問題の発生(商品を作っているのか、音楽を作っているのか)
- アメリカポピュラー音楽史:『ティフォートゥー物語 アメリカ・ポピュラー音楽げの遊歩道』が良くまとまっている
- 参考:LIFE誌がまとめた写真の豊富な大型本『アメリカの世紀 (1)』シリーズ