橋本治 / 虹のヲルゴオル (講談社文庫)



素晴らしい映画論。映画を語るにあたって、主演女優にフォーカスしているので、結果的に女優論でもあり、また女優を飛び越えて、女とは何か/男とは何か論でもある。この場合の男とか女っていうのはいわゆるジェンダーの話だけれど、フェミニズム用語のような術語でなく平易なことばで語っており、著者の知性をしみじみ味わうことができる。