映画美学校/音楽美学講座/特別講義:ミュージック・シンセサイザーの歴史@京橋・映画美学校
- 電子楽器の歴史
- 1896 テルハーモニウム
- 1919 テルミン
- 1928 オンド・マルトノ
- 1930 トラトニウム...1952年、ヒッチコック監督『鳥』の声
- 1956 RCAシンセサイザー
- 1960s モジュラーシンセ/ビートルズ時代/シンセサイザーはイージーリスニングやムード音楽によく使われた
- 1964 モーグシンセサイザ...商品化された初めてのシンセサイザー。パッチングで音を作る。モノフォニック・シンセで1度に2つ以上の音が出ない。
- 1968 ウォルター・カーロス『Switched on Bach』...シンセサイザーを用いてクラシックを演奏。大ヒット。
- 1970s シンセサイザーが小型化し、ロックバンドがコンサートで使えるようになった。ハードロック、プログレッシブロックの分野で多用される。
- 1975 ローランド SH-5...定価26万円(当時)
- 1977 ローランド マイクロコンポーザー MC-4,MC-8...いわゆるシーケンサー(自動演奏機)のはしり。データはカセットテープに記録。コンピュータとシンセサイザーの融合が進む。ハードウェアが音楽を規定した→エレクトロニック・ポップは反復を特徴とする
- 1978 シーケンシャル・サーキット社 プロフェット5...小型のポリフォニック・アナログ・シンセサイザー。和音と音色の記録が可能になった(5和音・64音色)
- late70sコンピュータがシンセと組み合わさったシーケンサーの普及により、テクノポップ(エレクトロニック・ポップ)が流行
- 代表的なバンド:イエローマジックオーケストラ(YMO)、クラフトヴェルク(クラフトワーク)
- 1980s
- 1982 MIDI(Musical Instruments Digital Interface)
- late80sデジタルシンセ全盛(ローランドD-50、ヤマハDX7、コルグM1など)
- アナログシンセサイザーとはどんな楽器か
- 倍音を沢山含んでいるノコギリ波を減算方式で成形して音を作る。具体的には、電気回路の電圧変化等によって成形が行われる。もともと、シンセサイズ(synthesize)とは「合成する」という意味で、「自然音はすべてサイン波に分解できる」という数学的証明があり、理論上はサイン波の合成(加算方式)であらゆる音が作れるのだが、70年代-80年代の技術では実現不可能であり、減算方式が採用された。現代のいわゆるソフトウェア・シンセでは加算方式による音の成形が可能である。
(つづく)