映画美学校/音楽美学講座/クリティック&ヒストリーコース/第22回講義@京橋・映画美学校
講師:岡村詩野、岸野雄一
本日のテーマ:職業としての音楽ライターについて、ポピュラー音楽批評について
- 岡村氏発言
- 20〜21歳ごろ、『Doll』(パンク雑誌)での「突然ダンボール」へのインタビューが初仕事
- 仕事は断らない/媒体は選ばない
- 人との出会いが楽しい
- 音楽には敬意を払う
- 20年近いキャリア
- 売り込み経験は無い
- 遅筆
- 女性のライターは少ない
- ディスク好き(コレクター)
- ギャラと内容は比例させて書く
- 年を経ると、好きなものを守ることで精一杯になる
- 専門化とは閉じていくこと
- 英米日の「インディーズ」が得意分野(とみなされている)
- 現在は『ミュージックマガジン』『レコード・コレクターズ』『スヌーザー』などで執筆
- 編集長や編集部のカラーが明確だと、駆け引きしやすい
- 少しでも評論の対象に良いところがあればデフォルメして書くと商業批評として成立する
- 短所を突くとキリがない(なるべく褒める)
- 現在の音楽雑誌には中村とうようのような辛口がおらず、批評の場ではない
- 原稿料が安いので、数をこなさねばならず、忙しい
- レビューのためには、それまでのすべての作品を聴く(インタビューも同様)
- ブログで音楽評は書かない(ライターとしての自負)
- ブログに書かれていれば「読めば済む」(対価が発生しない)
- 音楽家の日記は読みたくない。楽屋を知ってしまうと想像力を奪われる(知りすぎても良いことは無い)
- リスナーの二極化
- ヒットチャートの上位曲しか聞かない
- アンチメジャー(マイナー趣味)
- 両方知っていたほうが楽しい
- 20世紀中はバランス感覚や、スタンス(趣味)の表明が問われた
- 誰かミュージシャンのファンとして音楽を聴く=20世紀的聴取スタイル
- 21世紀になって、ライターのスタンスよりも、文章そのものが問われるようになってきた
- ヒーロー不在。音楽がアーカイブからのエディット能力で表現される
- ポップスの役割(共有できる)が失われつつある
- 聞く人も作る人も、暫定的に目標を設定したほうが良い
- 音楽雑誌
- 部数は年々低下している
- モノとしての愛着
- 批評性は低いが、精度の低さ(ノイズ)が魅力
- 文章の強度の問題