デューク・エリントン / Ellington At Newport



1956年(昭和31年)7月、米国ロードアイランド州はニューポートで開催されたアメリカン・ジャズ・フェスティバル最終日におけるエリントン楽団の実況録音。ただし1曲目の『ニューポート・ジャズ・フェスティバル組曲』はライブ録音をそのまま収録せず、後日ニューヨークでのスタジオ録音に観客の歓声をかぶせた疑似ライブ録音であるが、特に気にならない。それにしても『ディミヌエンド・アンド・クレシェンド・イン・ブルー』の熱気は凄まじい。まさに白熱した演奏だ。


こういう'50年代のハイ・ファイ・サウンドを聞きながら、'20〜'40年代のナロー・レンジな/ロー・ファイ録音を脳内変換しようと試みるのも一興ではなかろうか。例えばエリントン楽団のサウンドが果たして、1929年のコットンクラブでどんな塩梅でグルーブしていたか。この問いじたいに突っ込みどころは満載だ。しかしそれを妄想的に楽しむのも良いし、想像力で研究精神をドライブさせるのも楽しそうである。ちなみにこのアルバムについてのトリビアルなエピソードウィキペディアにあるので、興味のある方はどうぞ。「聴く」という行為がいかに妄想的であるかということが分かるエピソードばかり…。ちなみにわたしが聴いたのは1992年リリースのCD(品番:SRCS7081)。